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梅酒の水割り ページ5
本当は、お酒を作るのは私の役割であるはずなのに。目の前に座る甚爾さんは私に飲ませるための梅酒を水で割っている。
「自分がどれくらいで飲めるかわかんねぇんだろ」
そう言って水と梅酒を混ぜている。手の動きが止まって、終わったかと思えばコップを持ち上げて1口飲んだ。
「うっす」
そう言って差し出されたコップに恐る恐る口をつける。あんま一気に飲むなよ、という助言を受け、本当に少しだけを口に含んだ。
久しぶりに飲んだアルコールが身体を駆け巡る。何が美味しくてこれを飲んでいるのか、と思ってしまう私はまだまだ子供なんだろう。
「まぁ、あんま焦んな」
そう言って今度は私の頭に触れる。たっぷりの水で薄まったアルコールを、しかも少ししか飲んでいないはずなのに、触れられたところが熱い。どこに目がついているのか、オーナーも他のお客さんもいるのに、誰にもその行為が見られることはなかった。
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作者名:かうみ | 作成日時:2024年1月13日 18時