運命の花を 阪神タイガース

宣戦布告 ページ30

西岡「なー、俊介ー」


俊介「？、なんですか、剛さん」


剛さんに話しかけられるなんて、珍しいな...

なんて思いながら、

人通りの少ない廊下で振り向けば、


西岡「Aちゃんと、前に会ったことでもあるん？」


開口一番、Aちゃんの名前が出てきて動揺した。


俊介「な、なんでそう思ったんですか？」


西岡「んー、俊介のAちゃんに対する反応見てれば大方の予想はつくやろ」


俊介「別に、深い関係では無いですよ」


そう俺が返せば、乾いた笑い声が聞こえた、


西岡「んなわけないやろ、深い関係やなかったら、そんな気にかけんやろ」


俊介「っ、ただ高校が同じだっただけですよ」


少し強めに言えば、


西岡「そうむきにならんでもええよ」


そう言ってさっきとはうって変わった笑みをこぼしながら、


西岡「ただ、宣戦布告しにきただけやから」


そう言って、俺の前にしっかり立って。


西岡「Aちゃんのこと譲る気あらへんからな？お互い頑張ろうな」


そう肩を叩いてドアの方へ向かう剛さんに、


俊介「俺の方が昔から彼女のことを想っています！」


剛さんは急に立ち止まり、またこっちを向いて、


西岡「時間なんて関係ないやろ、」


そう言ってまた笑みをこぼして、


西岡「今まで、こだわることなんてあらへんかったのに、今回だけは、妥協できへんから」


そう言って出ていった。


皆、君のことを思っているから、

君はまるで、ラナンキュラスの花。


あなたは魅力に満ちている。

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