運命の花を 阪神タイガース

赤い椿の花には ページ26

今成「Aちゃん、隣いい？」


そう言って横にぐいぐいと良太さんを押して私の隣に座る今成さん。


良太「いっ！いきなりなんじゃけぇ！！」


今成「良太さんはちょっと、外れててください」


すんませんっ！、と笑顔で謝ってこっちに向き直る。


今成「Aちゃんって、今彼氏いる？」


A「え...」


上本「ちょ！！今成！！」


いきなりの質問に、私も驚いたけれど、それより大きな反応をする上本先輩。


今成「なんすか？上本さんも知りたいんすかー！？」


やっぱ、かわいいもんなー！と一人で納得している今成さん、


上本「っ、そうじゃないけど...来ていきなりそれって...」


A「いませんよ？」


そう言って、笑みで返せば、


今成「そっかー！！じゃあさ！！高校の時、好きだったり、付き合ってたやつとかいた？」


笑顔で聞いてくる今成さんに、少し恐怖のようなものが沸き上がってくるけれど、


A「い...いませんよ」


作り笑いをすれば、

もっと笑顔になって、


今成「Aちゃんの高校の野球部の先輩でAちゃんの事好きなやつ知ってるよ」


A「え...」


本当に思考回路がついてこなくて、

高校時代の思い出が、沢山頭をよぎった。


赤い椿の花が控えめな愛を心に秘めていた、

もう、赤い椿は捨てて、

君に想いを告げようと動き出した。

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