運命の花を 阪神タイガース

二人の淡い思い出 ページ14

初めて話したのは、

秋の日、

しかも、会話、と言えるのかな、


「あっ、すみません、大丈夫？」

「はいっ、大丈夫です」


これだけ、

でも俺は鮮明に覚えてて、

それから、君を見るたびに追いかけていたのかもしれない、

でも、その想いが実ったのか、

次の年の夏、

「大会頑張ってください」

そう突然言われた事もあった、

昔の事思い出したって、

君はここにいるわけでも無いのに、

それでも君を少しだけ想い続けて、


「君はどこにいるのかな...」


過去の思い出だけじゃなくて、想いだって、

芽生えさせる萩があの時のように、

咲き誇るこの季節に君を思い出す、



小さいとき、姉の広陵高校の学園祭に行き、

その時は、10歳ぐらいだったかな、

一人でできる、と意気がってた頃で、

迷子になった、

一人ぼっちで寂しかった私に、

「大丈夫か？迷子になっちゃったんか」

そう優しく頭を撫でて、笑顔で私を慰めてくれたあの人、

姉を私と一緒に探してくれたあの人、

10歳の私が微かな恋なのか、憧れなのか、

芽生えたあの時、

彼はどこにいるのだろう、

会えないのはわかってても、

心の奥で会いたいと願っている、

パンジーが咲き、

純愛を語っている、この秋、


A「あなたは今どこにいますか？」

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