運命の花を 阪神タイガース

今も昔も傍で ページ38

俊介「少しでいいから俺の気持ちを聞いて」


そうドアの向から聞こえてふと顔を上げた。
あれ...いつだろう...こうやって誰かが私に手を差しのべようとしてくれたような...


A「俊介さん...？」


俊介「あのさ...さっきはごめんね...君を傷つけちゃって...」


A「っ！そんなことないです...！私が勝手に逃げてきただけなので...！」


あぁ...もう嫌...俊介さんに迷惑かけちゃうとか...本当に自分が嫌だ...。


俊介「そうだったとしてもね...俺は...」


そう言って俊介さんが一呼吸置いたのがわかった。


俊介「俺は、君が傷ついた時、一番傍にいれるような存在でいたいんだ。初めて君と会ったときも泣いてた君だから、俺が傍でずっと笑顔にしていきたいんだ」


A「っ、俊介さん...！！ありがとうございます...」


また涙が溢れ出てきた。

けど、初めて会ったときも泣いていたって...


俊介「...ほんの少し関わっただけで変に期待して、その人に恋してるから」


A「えっ...！今なんて...？」


俊介「なんでもないよ、じゃあ俺行くね。気持ちが落ち着いたら帰ってきてね」


何事もなかったような声で去っていった俊介さん。


あの言葉、あの声。間違いなくあの時の人だった。
そっか...私にあの時寄り添って傍にいてくれたのは俊介さんだったんだ。

もう涙が止まらなくて、色々な思いが全部溢れた。




今と過去がやっと１つ繋がった。

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