三人 ページ5
すすす…と草凪達の部屋のふすまを開ける
布団を畳み始める影がちらほらと見える
「おはようございます、一ノ瀬兄さん」『おう、おはよう』
1人1人の挨拶に一ノ瀬の形の良い唇がこたえていく
そして草凪の元へ
「お早うございます、一ノ瀬兄さん」
『おう、おはよう』
「何か御用でも?」
『あぁ、ちょいと片桐と銭湯へ行ってくる』
「了解です、男衆は付けますか?」
『いんや、だいじょぶだ、ありがとう』
「いえ、玄関までお送りします」
『おう、ありがとう』
一ノ瀬に感謝を告げられた草凪は照れたように俯いた
その草凪の頭をくしゃくしゃと撫でれば、耳までをも赤くした
「朝比奈、おいで」
耳が赤いままの草凪が呼ぶと、朝比奈はたたた…と駆け寄ってくる
『お早う、朝比奈』
「おはようございます!!」
「朝比奈、一ノ瀬兄さんを玄関までお送りするよ」
「はい!了解です!」
元気の良い返事にくすり、と笑みをこぼした
まだ静かな廊下を3人で歩いていると、後ろから声がかかった
「うぃぃぃ〜〜す、片桐完全起床〜
お早う、一ノ瀬、草凪、朝比奈」
「「お早うございます、片桐さん」」
『おう、遅せぇよ、片桐』
俺が文句を言うと、ぶっひゃっひゃっひゃっ、と
片桐の特長ともいえる特殊な笑い方で笑う
片「すまねぇなぁ」
いつものことなので三人は気にもとめないが。
玄関に着けば、俺らの呼び名が変わる
「「いってらっしゃい、黒尾さん、Aさん」」
最初はあんなに戸惑っていた日向も、慣れたみたいだ
「おう、行ってくる」
『あぁ、留守を頼んだよ』
頭を下げる二人に背を向けて歩き出した
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作者名:日紫喜 | 作成日時:2018年8月30日 14時