四人 ページ6
二人が出かけた後、草凪は言った
「さて朝比奈、兄さん方が帰って来る前に、準備をしておこうか」
「はい!」
「ん、じゃあ行こうか」
「はい!」
二人は一ノ瀬の部屋の前に立った
余談だが、一ノ瀬は吉原遊郭で売り上げの1位2位を争う花魁だ
中に彼はいなくとも、廊下を通るだけでも 緊張するのだ。
そして今。現在形で緊張している男がここにいる
彼の緊張振りに客がいる所で失敗させぬようにと練習を勧められたのだ。
「じゃあ朝比奈、やってみようか」
「は、はい…っ」
ふすまの前でしゃがみ込み、中にはいない一ノ瀬に話しかける
「一ノ瀬兄さん朝比奈です。入っても宜しいでしょうか」
一ノ瀬(草凪)「どうぞ」
「失礼します…」
そこまで言い終わると朝比奈は首をギュンと草凪の方へ向けた
「大丈夫でしたか!?俺!?出来てましたか!?」
物凄い勢いの朝比奈に草凪は少しだけ引きつつも答える
「だ、大丈夫だったよ。出来てた、さ中に入ろう」
「はい!」
二人は一ノ瀬の打掛と化粧道具を用意すると、自分達の用意をした
一方、Aと黒尾はものすごくリラックスしていた
周りに客はいないので心置き無くゆっくり出来る
「A、そっちはどうだ?」
黒尾は顔を向けずにそういった。
Aはふ、と笑って言った
『ぼちぼちって所かな…、鉄朗は…ふふっ』
Aは鉄朗の二の腕を見て笑った
「あんだよ、笑うなよ、慣れろよ」
『だってっ、旦那命ってなんだよ…ぶふ
客の名前なら分かるけどっ…ふふっ』
「別にいいじゃねーか、これで客入るんだし?」
と黒尾は拗ねたように頬を膨らまして言った
『まぁ、そうだけどよ…』
Aは笑ったまんまだ
二人は風呂を出て吉原の店へ足を向けた
_____________
おい、寄り道してねーで帰るぞ、急げや
へいへーい…お、あの魚…((なんか言ったか?
いや、何でもないです
41人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:日紫喜 | 作成日時:2018年8月30日 14時