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その後、氷を溶かすように少しずつ話し出した私達は、今までの時間を取り戻すように距離を縮める。









「手紙、読まないのですか」


「…!」



あの日のように、泣いている頃だと思って来て差し上げたのに…と冗談っぽく言う母に、私は顔に熱がぶわっと広がっていく。



母が振袖を届けに来たあの日、悲しみに打ちひしがれていた私は、まさか見られていた…というか聞かれてたのかと、恥ずかしさから顔を手で隠す。









「わっ、私は泣いてませんよ」


「あら?そうだったの?」


では、そういうことにしておきましょうと笑うお母様に、私は少し言葉に詰まる。








「…それに、どんなに辛くても

私には泣く資格なんてありません」



そう私が目を伏せて話すと、お母様はふっと笑いを零して口を開いた。









「あなたと杏寿郎さんはそっくりね」



















そして数十分後。


母が出ていった部屋で、中身を見る決心の着いた私は、とうとう手紙の封を開けた。










◇◇

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設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:西川あや x他1人 | 作成日時:2020年10月28日 20時

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