◎想わせぶりの 平野くん 。【 完結 】*

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Aside








がたんごとん …








「はぁ… 。」









あたしは揺られる電車の中で溜息を落とした。









「…廉、意味分かんないし…」









昨日廉の唇が自分に触れたかと思うと、
気が気で仕方がない。



…て、なんであたし廉のことばっか気にしてるんだろ。









廉と会わないように、
今日は態々バスなんだ。









暇つぶしにスマホを出して、
LINEを触る








「あれ、Aちゃん？」








ふと後ろから声がして、
振り返ってみると、

へらへら笑った紫耀先輩 。









「しょ、紫耀先輩っ」





紫「おはよー」




「おはようございますっ」









紫「あれ、Aちゃんってバス通学なん？？」



「あ、いや、今日だけです」




紫「あ、らんくんのことあったから？」



「らん？、え、れん、ですか？」




紫「そそー」








相変わらず表情を変えずに笑う紫耀先輩は、
あたしの目の前に立って「彼奴のこと嫌いなん？」と問う







…先輩なんで廉とあたしのこと知ってるんですか… 。




疑問に思ったけど、「違います、」とだけ答えた。







そんなこと聞いたら、嫌われちゃいそう。








紫「へー、
少年、めっちゃ落ち込んでたで」



「ですよね…」








そりゃ、距離置きたいって好きな人に言われたんだもん。



…ん?廉の好きな人ってあたしなのか？








でもま、
あたしが紫耀先輩にそんなこと言われたら、

飢えて死んでしまうと思う。









紫「ねね、」




「あ、はい」









紫「付き合おっか」









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