48話 ページ2
午後の訓練を終えて家へと帰る者、飲みに行く者、自習する者。
私も今日から残って居残り練習をしようと思う
『…ドラマ、楽しみにしてたんだけどなぁ』
今日思い立った事だった為、毎週楽しみにしていたドラマを録画するということをしてこなかったが別にいい。
いつかDVDとして出るしドラマより今はナイフを扱える様になることが一番だ
ひとりだけ遅れた訓練、他の同僚はもう別の課題へと進めていた。
私だけひとり置いてきぼり…隊長、副隊長から贔屓目されているから先輩からの嫌がらせだろうか?
それぐらい先輩は同僚に比べて厳しかった
『良いじゃん、やってやろうじゃん』
何故ダメなのか、何故体に馴染まないのか。
先輩は同僚ばかり付き添っていてひとり端で素振りしている私には目もくれない
アドバイスもなく、ただ言われたことをするだけの日々…正直もう飽き飽きしていた
『23、24、25、26っ!』
ビュン!!ビュン!!ナイフが空気を切る音と、オレンジ色の空に照らされて第五軍団の敷地でナイフを振る私の虚しい声だけが響いていた
『198、199…、に、ひゃ、く!!』
ナイフを両手200回ずつ素振りし終わった私。
軍用ナイフは男性が持つのが基本とされている為、柄が少し太く私の手には少し大きい。
重さもずっしりとある為なかなかの負担が腕へと来る
勿論、これは国が支給してくれた軍用ナイフだ
はぁはぁ、と息を吐き地面へ寝転がる。
オレンジ色だった空は少し黒く染まりつつあった。
『まさか、こんなにも、大変だ、なんてッ!』
ナイフ一本、合計400回素振りしただけで腕が上がらないほど痛くて呼吸ができない。
自分がどれだけ甘かったかここで思い知らされた
『筋トレとか、スタミナも強化しなきゃ、ダメだなぁ』
素振り400回で息が切れている様じゃ最前で戦えない。
前衛は常に走って前へ出ることが基本である、こんなんじゃすぐへばってしまう
『よし…やるかぁ』
上半身を起き上がらせてゆっくり伸びをする
ナイフをホルダーへしまい、走り出す。
この敷地は一周200m、それを何度も何度も周り続ける
徐々に薄くなっていく酸素、肺が酸素を入れようとして肩が激しくなる
ペースを上げて走り続けた
そして体力が底をつき、脚がガクガクして立ってられなくなった頃には、薄暗かった空にも月が顔を出しキラキラと星たちが輝き始めていた
地に座りこみゆっくりと息を整える
これをこれから毎日したら、先輩から認められるだろうか?
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アリウサパン?(プロフ) - コメント失礼します!「しない」でお願いします! (2020年8月3日 1時) (レス) id: 870c94650e (このIDを非表示/違反報告)
青葉2号(プロフ) - コメント失礼します!悩みましたが、『する』に一票入れさせていただきます! (2020年8月3日 1時) (レス) id: 5284f259f4 (このIDを非表示/違反報告)
明莉(プロフ) - コメント失礼します!しない!でお願いします! (2020年8月3日 1時) (レス) id: 97974cb528 (このIDを非表示/違反報告)
きずな(プロフ) - コメント失礼します。しない一択で! (2020年8月3日 0時) (レス) id: 9903ddc09e (このIDを非表示/違反報告)
たんこぶ - コメント失礼します。「しない」で投票させていただきます。 (2020年8月3日 0時) (レス) id: 6e4881c6a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にろ。 | 作成日時:2020年7月22日 3時