【実況者】TRANS-PORTER【wrwrd!】 (ページ39)

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ーーー1日前 A.M 1:07

｢…なんで乗ってんのよ。｣

｢試験だよ試験。ダークホースの試験は難関だよ？｣

｢話聞いてた？｣

｢…皆、僕が視察来たら喜ぶのになぁ…｣

ダークホースの2回目の依頼。今日は1人人間というお荷物が増えてしまったが。相変わらず長いローブとフードは欠かさない。

｢…何故前回とは違う？｣

｢場所？見てて冷や冷やしたからやめてくれ、って仲間が。｣

｢はっ、ちゃんと依頼こなしてるのに。｣

｢…機密を海に落としたら大変だよ？｣

｢意地でも届けるのが仕事。文句は言わないで。｣

夜の街の空気は冷たい。許可を得て窓を開ける。ひんやりと冷気が少し開けた窓から滑らかに滑り込んできた。

｢…この街はイカレてる。｣

｢…何、急に。｣

｢ここに住む人間全員只者じゃないんだよ。ここに来て数週間。余所者の君を受け入れてしまうんだよ。ーーー脅威としかなり得ない、君が、ね。｣

｢…はっ、そう言うならまだ違う。｣

｢…へぇ？｣

｢私は一時的な脅威としてしかなり得ない。けれどアタシは手のひらを裏返す事が出来る…いい意味でね。脅威となれば戦力にもなる。

だからまだトウキョウに受け入れられてない存在なの。いつアタシが敵になり、味方になるか分からないから…でもそれがスリリングで面白い。それが、アタシがカジノのルーレット台となる訳なのよ。｣

そう言うと、彼は手で口元を隠すとニヤリ、と妖しく歪んだ笑みを見せた。

｢…合格だよA。君は面白い。この街の脅威になるよ！！！｣

｢だから永遠の脅威にはならないのよ…ま、私の事を永遠の脅威として敵視してる奴らはいるけれど。｣

･

･

｢"レッドドラゴン"、でしょ。｣

｢…どうして知っている。｣

｢うーうん、マフィアの情報なめたらダメだよ？今、日本に来てるんだから。｣

｢…くそが…｣

やはりニホンに来ていたか。もしあの電話の相手が奴らならーーー私を狙っての電話だと納得ができる。しかし、まだあれだけじゃ確証がとれない…もっと何かーーー！！

｢ーーー"CXB-200"。｣

｢ー！？｣

｢確証が欲しいんでしょ？その右頬、電話線越しの爆発だよね、彼らの手は狡猾だから。｣

｢な、ぜ知って、る？｣

｢ま、確認してごらんよ。そんで、事が済んだら開けてね。｣

そう言って助手席に置かれたカードキー。既に指定された場所に到着していて、男は私の頭にキスを落とすと、荷物のトランクケースとお金のトランクケースと入れ替えて、立ち去っていった。