【実況者】TRANS-PORTER【wrwrd!】 (ページ38)

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○月×日 P.M 13:46 Office

｢おはよーございまーす…｣

｢あっ、A！大丈夫！？｣

｢ええ、病院に行ってきました。大丈夫です。｣

病院に行ってからの遅めの出勤。特に何も無かったようなのでとりあえず一安心。…医者に説明する時は大変だった。

｢これ、昨日ご迷惑をおかけしたので皆さんでどうぞ。｣

｢！！菓子！！！｣

｢えぇ！？こんなに沢山！？｣

｢甘いのと甘くないのです。甘いのが苦手な方にね。そしておじさん、これ。｣

｢ペ神おじさん呼びされてんの｣

｢えっ！？俺用！？ありがとうなぁAちゃん！｣

そう言って丸い一人用の箱を受け取ると、頭をごつごつとした手で撫でられた。煙草の匂いが微かにした。昨日の応急処置は彼がしてくれた。どうやらあっち系の方らしい。まぁヨーロッパで沢山見たので今更なんと思わないが。

｢ストックなので大切に食べてくださいね。｣

｢ストックなの！？これ結構高いじゃん！！｣

｢行き過ぎていつも安くしてくれますし。｣

｢うめぇ！なまらうめっ！！｣

｢キヨ早っ！！？｣

｢わーい！Aちゃんありがとう！！｣

ーーーなんとか打ち解けた気がする。
まぁあの2つの課ーーー基、2つの対立するマフィアの対立はそう簡単には無くならないのは承知済みだが、少なくともあの初日の氷のような凍てつく空気はもう無い。あぁ。そうだ。

｢そういえば…この書類を渡しにーーー｣

刹那、目の前にあった壁1面の窓ガラスの1枚が割れた。
そして風が通る。その時に、私の頬に唐辛子のような痛みが走った。どうやら私が状況を飲み込むのを許してはくれなかった。

｢…今、何か…｣

｢っフジ！ヒラ！Aを窓から遠ざけろ！！｣

｢っまじか！！なんだよ！！｣

｢ま、待ってください、どうしてそんなに…｣

｢ーーーースナイパーライフルの弾や、アンタ、狙われてたで！｣

｢ーーーーっ！？｣

ゾムさんに渡された弾。それを受け取るとそれには見覚えがあって、"昨夜、奴らに予言された通り"の品番が印字してある弾であることに気付くと、もう後は理解が追いつく。

まずい、そろそろ決着を付けねば。

｢っおい！！！どこ行くんや！！｣

｢止めろ！！シノダを止めろ！！｣

｢っく！！｣

急いで非常階段の扉へと向かい、そのまま鍵を閉める。丁度エレベーターは緊急点検中。そのまま地下の駐車場へと向かい、愛車に乗り込むと、エンジンをフル回転。思いっ切りアクセルを踏んだ。

そして頭の中では、昨夜の会話を思い出していた。