【実況者】TRANS-PORTER【wrwrd!】 (ページ31)

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ニュース速報が流れる。
慌てるリポーターにブレブレなカメラ。そこの映像には火の手が包む港。そして窓の外の向こうでは黒煙が上がっている。

『…爆発した車は海の中に沈んだ、との事です。警察は海の捜査も進めているとのことです。』

テロップに表示された"車が爆発海中に沈んだか"という文字。それをみて、一同の口元が上がった。

｢…成功したな。｣

｢はー、やっとおらんなった…｣

｢うっわぁ燃えてんじゃん…そんな威力強かったっけ｣

｢自分で開発しといてよう言うわうっしー｣

｢あの女気に食わんかったから精々するわ…｣

｢まーえーやん？

あの"不慮の事故"で死んでもうたんやし？｣

そう言うと、部屋にいた全員が笑い出した。

ーーーそう、あの事故は俺らが仕掛けたもの。
我々の事を知ってしまったんだ、残念だが彼女はここで死んでもらった。
これ以上彼女に核心を突かれてしまうと思うと、仕方の無い犠牲。ーーーただひとり、浮かない顔をして。

｢…。｣

｢…ヒラ、これは仕方の無いことだっんだよ。自分達を守るために、俺達は正しい事をしたんだ。｣

｢フジ…｣

｢そうやでヒラくん。もし俺らの事を警察にバラされたらどうなるの？しかもあの車はシロ。例のあの車とは違ったんやで。｣

｢…そう、だよね…。｣

ばしん、と背中を叩かれた。確かに、俺達のことがバレてしまったら元も子もない。…でも、俺の事頼ってくれていたのに…俺は…。

｢さて、精々したから…会議します？｣

｢そろそろお互い情報集まっただろ。やるか～。｣

｢よーし、じゃあ準備するから会議室行こーぜー｣

｢すみません～事務課です～｣

｢あっ、ミカちゃん！！｣

｢大先生きっしょ｣

その時、事務課の子が書類を持ってやってきた。事務課1の美女と呼ばれた女の子。だがこう見ると平和ボケした呑気な女としか思えない。

｢グルッペンさん、ガッチさんすみません、ここ訂正があって…｣

｢ん？…あぁここか、わかったゾ。トンーー｣

｢それはアンタや押し付けんな｣

｢おっけ～、ってこれうっしーじゃん！｣

｢えっ！ガッチさんごめん！｣

｢あの、Aちゃんみてません？まだ帰ってきてなくて…。｣

まさかの彼女の一言に、全員がこっちを見た。あぁ、にやけが止まらない。彼女はあの事故で死んだっていうのに。

｢え～知らんで？｣

｢さっき事故あったし…せっかくAちゃんにあげようと思ったのに…。｣

｢出張ちゃうん？｣

｢そっかぁ…じゃあ失礼しますーーーってあっ！

･

･

Aちゃん！！｣