【実況者】TRANS-PORTER【wrwrd!】 (ページ4)

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ーーー嗚呼、懐かしい匂いがする。

日本の首都に降り立って、ターンテーブルから荷物を取り、呑気な外国人観光客をすり抜けて、空港から出て1歩目に感じた、穢れの匂い。

やはりどこに行っても変わらないのか。とは言っても、この匂い、飛行機で半日過ぎ程ぶりなのだが。

あまり嗅覚が優れた人間という訳じゃないが、鼻に染み付いた火薬の匂いが微量に感じられた。

大量のバスターミナルの向こう側、個人車待機レーンに足を進めると、これまた懐かしい顔。

｢おー！長旅ご苦労さん！！｣

｢日本の飛行機で来るとは随分贅沢だな。｣

｢悪い？だってエコノミー座席硬いし。｣

｢わかる、わかるぞ。日本のファーストクラスを体感した時の感動といえば凄いからな。｣

｢うっわぁ～贅沢な悩みだこと！！流石金だけはあるぅ～｣

幼馴染の片方…金に執着な男、Mにトランクケースを押し付けた。嫌味にしか聞こえないためついでに腹パンしておいた。糞が。

｢…ってか、A。お前車は？フェリーで来るとずっと思ってたんだけど。｣

｢…ぶっ飛ばされて…こてんぱん…｣

｢…あぁやめろ！！分かった！！俺らの会社の前に届いてた車ってやっぱりお前の新車だな！？前のやつよりフルカスタムしてやるから！！泣くな！！！｣

｢ぐす…助かる…｣

…お願いだ、読者様。私の前の愛車の事はコメント欄でも触れないでくれ。何にもしてないのに放火されてバーンって爆発したんだ。結構傷ついてるから…な？頼むよ？？

そうやって促されて車の中。前に男2人が座り、私は後頭部座席。ツーシートの筈なのに私の隣にはもう既に何かが居座っていた。ふたつの紙袋。

｢…んだこれ？｣

｢おう、それ俺らから。

穢れた街、"トウキョウ"へようこそ。｣

…やはり、ダサい台詞を吐く幼馴染は昔から変わってない。

袋から出てきた大好物、フロントミラー越しに合う視線。きっと彼等は"闇"の虜になった中毒者であろう。

また、また私の好きな"闇"に染まれる。

そう思えば、この動悸と興奮はしばらく収まらなさそうだ！！！