【実況者】TRANS-PORTER【wrwrd!】 (ページ23)

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｢ごめん、まさか手伝ってくれるとは。｣

｢いや、だってなぁ…｣

｢引越し祝い要らないなんて頭おかしい事言うから…｣

｢マカロンくれたのに。｣

｢お前銃が多すぎんだよ！！｣

素晴らしいぐらいに理想通りの部屋。どうやら声認証で照明を付けられるそうだ。素晴らしい。

｢いや…本当にいいんですか？｣

｢えっと、ミドリガワさん？ええ。予想通り。でもこちらこそいいのか？値段、最初提示された値段より安いけれど…｣

｢ダクト口が申し訳ないからですよ。ここにしかつける場所がなかったらしく…。それにオプションまで契約予定ですから、それぐらいなら予想の範囲内ですし。｣

｢ミドリガワ、本当に助かる。｣

｢いいんだJ。いつも世話になってるからな。｣

｢あぁ…なるほど、あなたも…｣

｢ええ、またお困りでしたら。｣

そう言って名刺を渡された。どうやらこの男も"ダークサイド"(こちら側)の人間のようだった。多分そういう人間に向けた賃貸を紹介してるのだろう。ふむ。

｢…ならこちらも。｣

｢ーーー！あ、あの有名な！！｣

｢安くしてもらったお礼ですよ、いつでも頼ってください。｣

｢えぇ、その時はよろしくお願いします…！それでは契約、という事で宜しいでしょうか…？｣

｢ええ。｣

そう言って、筆記体で名前をスラスラとサインしていく。彼にペンを返すと熱い握手を求めてきた。やはり人脈は大切だ。

｢…お前…今の会社の給料飛んでいくぞ…｣

｢その分運ぶから大丈夫よ。生憎、貯金はあるから。｣

｢Aおめでとう！！よし、じゃあ運ぶぞ！！隠し部屋どこ！？｣

｢あぁ、それは…｣

どうぞここに手を、そう言われ壁に手を置く。そしてまたここも角膜認証。目を近付けると"Complete"の文字が壁に浮かび、壁が開いた。

すると、白いネオンの光に囲まれた何も無い部屋。なんだよここ、と呆気に取られていたら、ミドリガワはボタンを押した。すると何も無かった壁から幾つものパーツがターンした。そこにはたくさんのガンラック。

｢す、すごい！！！｣

｢超近未来じゃないか。｣

｢前の人この使い方知らなかったんだよ。｣

｢勿体無いーーー！！｣

｢よし、じゃあ今日中に全て片してしまおう。あぁ…楽しみだ！！｣

昼下がり、私は高揚する胸の高鳴りを抑えて、ダンボールに詰め込んだたくさんのガンを一つずつ丁寧に収納していった。