【実況者】TRANS-PORTER【wrwrd!】 (ページ16)

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Ayaka side

灼熱の南国だって、夜になれば爽やかな風が吹く。波の音にサンセット。サングラスで髪をかけあげた。

そしてテーブルの上のスマホが振動した。こんな時まで電話してくるのはあの子しかいない。

｢は～い、もしもし～？｣

『私だ。』

｢Aお久しぶり～またあの仕事モードじゃない～どう？トウキョウ？｣

『…そこそこ。』

｢なんでもそこそこじゃない！…で、なぁに？何かあるんでしょ？｣

そして彼女はお決まりの台詞を繰り出した。

『そこにパソコンはあるか。』

｢ーーー来ると思った。今回は何？｣

『…トウキョウの事。特に"ダークホース"と"ゲーマーズ"と"wrwrd!"について知りたい。』

｢あらぁ、有名マフィアじゃないの～｣

そんな会話を交わしつつ、デスクの上に置いてあるカクテルとともに並べられたパソコンを起動して、特殊USBを差し込んだ。そしたら次々と出てくるウィンドウの数々。このプライベートテラスに人はいない。だがスピーカーモードは話を聞かれる可能性もある。パソコンを打ちつつ、耳にスマホを挟んだ。

ーーー裏データーの管理する人というのは人脈がないと辛い。その為、誰かが更新したこの共有ネットワークのデータベースを特殊な方法で探す。

｢…うん…後者ふたつのグループはメンバー全員割れてる。｣

『ゲーマーズとwrwrd!か？』

｢うんうん。どちらも元々大きかったヤクザ組からの分裂したんだよ。親はそのふたつに潰されてる。残党は少し残ってるみたいだけど。｣

『ひえっ潰される』

｢…何しでかしたかは突っ込まないであげる。｣

この子は時々やらかす。男に関してはしょっちゅうだけど、時々運んだ品物が違うとか言って追われた事もある。Aは何も悪くない。そう何も。前はチャイニーズマフィアに追われてた…あれ、今もだった。

『後でデータ送ってくれるか？寛いでからでいい。』

｢おっけ～、でもwrwrd!の人数はまだ全員把握出来てなさそう。1人いるんだけど全く謎。メンバー内だけどそういう事をしてないのかも。｣

『はぁ…で、ゲーマーズは？』

｢んーとね…主要幹部は7人かな。｣

『なら全員か…はぁ…どうしようか…』

｢なになに、なんかあったの？｣

『私が身を隠そうと就職した会社にな、その2つのマフィアの幹部全員いるんだ。』

｢え！？…あぁ、ホントだ。ついてないね～｣

大きな溜息が聞こえる。きっと彼等と何かあったなこりゃ、と心の中で笑った。あぁ、巻き込まれガールだ。