【実況者】TRANS-PORTER【wrwrd!】 (ページ13)

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S.3:謎解きのポリフォニーページ13

S.3:謎解きのポリフォニー

((初給料だ、何買おうっか！))

ーーー勿論本業の方である。

あの組織機密が入っていたであろうアタッシュケースには、普通では考えられない程の金額が入っていた。どこからそんなお金が出ているのか、と疑いたくなるぐらい。これじゃもう1台愛車が買えちゃう。

((ん～、取り敢えずマンションの最上階でも借りようか。MJのアパートを今貸してもらってるだけだし…。))

取り敢えず、あのコンビに相談しない事には始まらない。幼馴染とはいえ、いつまでも頼ってばっかじゃだめだ。ただでさえ車のリペア頑張っていただいてるのに。

｢A～｣

｢？どうぞ。｣

｢ごめんね～？そろそろ終業時間だから呼びに来た～｣

｢ヒラ、わざわざ来てくれたのですか？｣

｢うん、誰も行かないから～｣

｢お気遣いありがとうございます。行きましょう。｣

そう言って、デスクの上のライトを消し、空調も全て止めて、ブレザーを羽織った。そしてすべての引き出しに鍵をかけ、部屋を出た。

…しかし、少し気になる事がある。

｢ヒラ、一つお尋ねしたいのですが。｣

｢ん～？｣

｢私の他にドライバーは居ないのですか？数名いた形跡が残ってます。｣

｢…あ～…｣

ヒラが何故かバツの悪そうな顔をして、頬を掻いた。そんなに話したくない事なのだろうか。

｢…無理に言わなくてもいいですよ。｣

｢あ、ううん。みんな辞めた。結構ハードだからね。ドライバー…。｣

｢…てっきり朝の事かと。｣

｢あー、うん。それもある。…俺、頼ってもいいからね？｣

｢ありがとうございます。私は大丈夫ですよ。｣

△▼△▼

｢…ってことで、今日も一日お疲れ様～。｣

普通なら全員で集まって終わる事は無いらしいのだが、今日は朝私の事を放り投げた社長がいた。どうやらこのふたつの課に伝達しに来たそう。

ヒラとふたりで入ってきた時の彼等の顔と言えばそれはそれは滑稽だ。でもまぁ、色んな視線が突き刺さる為、私はできるだけ影を薄くしてこの時間を乗り切る事にした。隣にヒラが居てくれる。本当にヒラは優しい人。見習えよ。

｢社長！！今日もお疲れ様でした！！どうです？この後1杯ーーー｣

｢いやいや社長！！今日は私ですよ～いい店見つけたんですよ、私と1杯ーーー｣

…そしてこのトップ達は必死に何争ってるのかわからん。ま、このまま消えるか。じゃーみなさん、お疲れ様でした～…。

･

･

｢あぁ、今日は…シノダ、ふたりでどう？｣

｢｢｢｢｢…は？｣｣｣｣｣

｢…？｣