[wrwrd!] Hard aport !!! ~Ⅱ~[実況者] (ページ5)

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「……じゃあ、強くなれ。」

「っ、」

「いや、実力は申し分ない。

心を、鍛えなさい。」

「心？」

「私のこの目を理由に実績が落ちているなど有り得ん。」

相変わらず辛辣な女だ、と誰かが呟いた気がした。
煩い、そう返してやった。

「どうせお前らは気にするな、と言っても気にするんだろう？私の見えなくなった右目が"お前らのせいだ"と1度でも声を荒らげた事があったか？否、それを理由に戦績が下がるなど、論外。話にならん。」

「軍人、というものは、怪我を負う事ぐらい当たり前であろう。当たり前、というより、それを覚悟で戦線に立っているのだ。それをたかが女が一時期片目を失明したぐらいで弱って、そのせいで幹部2人がへっぽこ？馬鹿野郎、今すぐ辞めちまえ！！！」

「っ、」
「ちが、」

「私がどんな思いでお前ら2人を鍛えたと思ってるんだ！！！！どんな思いで！！！！お前らをどこにでも出せる戦術班長に仕立て上げたと思っているんだ！！！！！！」

「「！！」」

私があの方の補佐だった時。皆が寝静まった頃、訓練室で自主トレをしていた時があった。ある日、そこに2人の若い訓練兵が覗きに来た。流石に気付かないわけがなく、声を掛けたのだが、彼らは私の弟子にしてくれと突然言い出したのだ。最初はそんなもの、と思っていたが、磨けば磨くほど光輝く原石に興味が湧いてしまい、了承したのだ。見込み通り、彼らは戦術班長として世界に名を知らしめる程の実力を持ったのだ。

2人に近付く。後退りするも、その速度を上回る早さで彼らの肩に手を置く、この部屋には確かにグルッペン達がいるはず、でもそんな事、気にとめられない。私は、私の手で育て上げたこの二人が1番長い付き合いで、大切で、凄い子達なの。

そんな誇らしい弟子が、師匠のたった一つの怪我で弱ってしまうなんて、そんな事、

「それが師匠である私が望んだ事だと思うなよ！！！馬鹿野郎！！！！大切な弟子を守れたのなら！！！一時期の失明なんて随分安く済んだものだ！！！」

「貴様らはもっと誇りを持て！！！！そして！！！」

「私の真意も聞かずに！！！"姉貴"である私を避けるな！！！」

私がただ、寂しくて、悲しいんだ。