お前のこと、押し倒してやるから

１５話　ん？僕はね… ページ16

それから京介とは連絡をとっていない。

とは言っても、家に行かない。メールをしない。それだけのことだ。

あの時の事を思い出すと体が熱くなる。

もっと先のことをしたいとも思ってしまう。

でも、もうアイツとは関わらない。

ずっと一人でいればいい。

傷つくのは嫌なんだよ。体だけって思われてるのが嫌なんだ。


気がついたら涙が溢れていた。


｢どうしたの？｣

声をかけられたがそれどころではない。

あ｢うるせぇんだよっ！偽善者！｣

私は走った。何処へ行くわけでもないけど。

もう嫌だ。人を好きになんてなりたくないのに。

恋愛に没頭するなんて馬鹿みたい。

目の前に線路が見えた。

｢大丈夫？｣

さっきの人だ。

あ｢アンタさぁ、ずっと追いかけてたわけ？｣

｢まあね。君が心配だったから。｣

彼は優しく微笑んだ。

あ｢ごめんね？さっきは。｣

｢大丈夫だよ…？泣かないで？｣

私の頭を撫でる。

あ｢あなた、誰？｣

｢ん？僕はね…宮川誠っていいます。君は？｣

あ｢…わ、私は中元Aです。｣

誠｢Aちゃんか…。大丈夫？｣

あ｢は、はいっ…。｣

誠｢何があったか、僕に話してくれない？｣


でも、もう目の前には電車が迫っていた。

１６話　……あ、ごめん。→←１４話　もう知らない

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す