第二十七話【入院】 ページ33
休日。リビングで本を読んでいると、母様が顔を真っ青にさせてリビングに駆け込んできた。
「大変っ！ツッくんが骨折で入院したって！！」
「え！？兄様が！？」
「とにかく、病院に行くわよ！」
慌てて病院に向かうと、右足がギブスと包帯でぐるぐる巻きになった兄様がベッドに横たわっていた。
「もうっ、ツナったら！」
「すまねぇ。俺がいながら…！」
「いや、これは一人でコケてやったんだし…」
「まあまあ、ディーノさん。そんな気に病むことはありませんわ」
「いや、Aが言うセリフじゃないよね！」
流石兄様。怪我をしていてもツッコミのキレは衰えていませんわ。
突然なことで何も準備できなかったため、近くの八百屋さんでフルーツの詰め合わせを買ってくるように頼まれた。
リンゴとバナナ、梨にみかん。これぐらいでしょうか？お札を出してお釣を貰うとき、病院の方向で大きな花火が上がった。
「あ。兄様の病室ってどこでしたっけ？」
早く買ってこようと、ろくに周りを見てなかったのが仇となったみたいだ。
受付の看護師さんに、兄様の病室の番号を聞く。
「沢田綱吉様ですね。病室が変更されたようです。えーと……ヒッ！ろ、６０８室ですっ！」
「わ、わかりました。ありがとうございます」
急に怯え出した看護師さんに疑問を覚えながらも、聞いた病室のある棟へ向かう。エレベーターに乗って目的の部屋の前まで来て、軽くロックする。
「いいよ。入って」
………なんだろう。とても入りたくない。嫌な予感がする。
と言っても、ずっと廊下にいたままにはいかず、意を決してドアを開けた。
「なんだ。小動物の妹か」
「ひ、雲雀さん！？なんでここに！？」
風邪を拗らせてね。と言う彼は、黒いパジャマを着てベッドに腰かけていた。
なるほど。だからさっきの看護師さんはあんなに怯えていたのか。
腰が抜け、ずるずるドアを伝ってしゃがみこんでしまった。
「小動物は…そうか、兄の方の見舞いに来たのか」
「そそそそうです！あああ兄はどちらに！？」
「さあ？さっき看護師に連れられて行ったよ」
「そ、そうですか！？なら、私はここらへんで」
「待ちなよ」
「ヒイィィ！！」
逃げようとしても、首根っこ掴まれて丸椅子に座らされる。
私はここで咬み殺されるのでしょうか？ああ、母様兄様、そして先生。今まではありがとうございました……
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 253人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
彩 - この話面白いですね個人的に骸との絡みが好きです (2016年4月18日 19時) (
レス) id: 6de7adccf7 (このIDを非表示/違反報告)
本の虫 - お返事遅くなりました。こんなに多くの方に見てもらえるとは、本当に嬉しいです！更新が滞納気味ですみません…これからもよろしくおねがいします！ (2016年3月31日 12時) (レス) id: ea2138361d (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - 面白いです!個人的に雲雀さんとの絡みが好きです！!更新頑張って下さい！!！ (2016年1月18日 17時) (レス) id: 3aa98e067b (このIDを非表示/違反報告)
トンぬら(プロフ) - とっても面白いです！続きが楽しみです・・・。更新楽しみにしております( *´艸｀)応援してます！！ (2015年10月12日 9時) (レス) id: 33eb7c7682 (このIDを非表示/違反報告)
静花 - この作品大好きなんです！だけど、１ヶ月以上更新されていませんね(´・ω・`)ｼｮﾎﾞｰﾝ悲しいです…。更新頑張って下さい！応援してますから！ (2015年8月19日 17時) (レス) id: 451838e6c9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：本の虫 | 作成日時：2014年11月1日 17時
