第十五話【雲雀恭弥】 ページ19
黒革のソファーはふかふかで多分高級品。机の上には、ナミモリーヌのケーキ。しかも、秋限定のモンブランです。紅茶はゆらゆら湯気を出していて、いい香りです。
なんて素晴らしいティータイムでしょう！
そう、
「早く食べたら？」
向かいのソファーで足を組んでこちらを見下ろす方、雲雀恭弥さんがいなければ。
「あっ、じゃ、じゃあ頂ますわ」
「そうしなよ」
モンブランのてっぺんに居座る大きな栗をぱくりといくと、栗の甘さが口に染み渡ってなんともいえません。
ザクザク攻めて食べて飲んで、半分ぐらいになったころ、無言だった雲雀さんが口を開きました。
「で、食べさせてやったんだから教えてほしいんだけど」
「(やっぱりそうですわよね……」
でなければ、下校中にゴツいリーゼントさん数人が見た目に合わず、「ついていただけますか？」なんておっしゃるわけがありませんもの。
あの威圧感は一生忘れない。
「君の家に住んでいる小動物が今日、応接間に押し入ったんだ」
「はあ、それは兄がご迷惑を」
「それは咬み殺したからいいんだけど、そしたら面白いそうな赤ん坊に会った」
「(絶対先生ですね)」
「で、その赤ん坊君の家に住んでいるらしいから赤ん坊のこと教えてよ」
なるほど、この人絶対戦闘マニアですわ。相手が赤ん坊であろうとも、強いやつと戦いたいんですね。
切実に思う。私を巻き込んで欲しくありませんでした。
「どうなの？さっさとしないと咬み殺すよ」
「やめてください。
えーと……先生はリボーンという名前で、兄様の家庭教師をしていらっ…」
「そんなことはいらないんだけど」
「ごめんなさい。
何故だか射撃がすごい腕前ですわ。けどナイフとか他の武器もお上手で、武器全般はお手のものだと思いますわ。あの小ささでも体術も侮れません。
って、私スパイみたいですわ。」
「どっちかというと裏切りだね」
うっ、裏切り！？私は家族を売ってしまったのでしょうか！？いいや、言わなかったら私は咬み殺去れていましたね。仕方ない仕方ない……。
「ふーん。知れば知るほど変な赤ん坊だね」
「(いや、貴方も十分変ですわ)」
「ま、いいや。それよりも……」
ガチャン
雲雀さんの学ランの袖から滑り落ちてきたのは、銀色の棒。それが両腕に装着されていました。
「とりあえず、君を咬み殺しておこう」
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彩 - この話面白いですね個人的に骸との絡みが好きです (2016年4月18日 19時) (
レス) id: 6de7adccf7 (このIDを非表示/違反報告)
本の虫 - お返事遅くなりました。こんなに多くの方に見てもらえるとは、本当に嬉しいです！更新が滞納気味ですみません…これからもよろしくおねがいします！ (2016年3月31日 12時) (レス) id: ea2138361d (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - 面白いです!個人的に雲雀さんとの絡みが好きです！!更新頑張って下さい！!！ (2016年1月18日 17時) (レス) id: 3aa98e067b (このIDを非表示/違反報告)
トンぬら(プロフ) - とっても面白いです！続きが楽しみです・・・。更新楽しみにしております( *´艸｀)応援してます！！ (2015年10月12日 9時) (レス) id: 33eb7c7682 (このIDを非表示/違反報告)
静花 - この作品大好きなんです！だけど、１ヶ月以上更新されていませんね(´・ω・`)ｼｮﾎﾞｰﾝ悲しいです…。更新頑張って下さい！応援してますから！ (2015年8月19日 17時) (レス) id: 451838e6c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：本の虫 | 作成日時：2014年11月1日 17時
