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九十一 ページ41

綾部「もしその花が実在したら⋯⋯その花に出会った瞬間、僕はどうなっちゃうんだろうって。会ってみたくなって⋯」






──あの方はこの言葉通りの人だ。






綾部「だって、わたぬきさんみたいな花なんて⋯想像できないんですもん。」


A「あはは⋯」


苦笑いするA。



A「そりゃ、花なんかに比べたら」


眉を下げながら言うと⋯






綾部「絶対、わたぬきさんの方が綺麗だし」




その言葉にポカンとするA。




綾部「⋯⋯何?」



目をぱちくりとさせるAにそう素っ気なく質す喜八郎。



A「ぁ⋯いや⋯何でも⋯」



喜八郎の頬は若干赤みを帯びていて、連られてAも思わず目線を外してしまう。



綾部「嘘じゃないです。あの花を見つけた時だって」


崖を見上げる喜八郎。


綾部「わたぬきさんより美しい花なんて、この世にないんですよ」


A「⋯っもう」



真剣な顔でそんな事を言う喜八郎に恥ずかしくなってAは手で喜八郎の口を塞ごうとする。


が、ケガを負っている喜八郎に乱暴はできず、軽く怒った風に見せそっぽを向いた。




綾部「だって本当の事だし⋯」


当の本人はAが何故怒ったのかが分からず、子どものように不貞腐れた。






「おーい!」


すると、聞き覚えのある声が聞こえてきた。



動けない喜八郎の代わりにAが岩の向こうを覗くと


A「あ!こっちです!」


小平太と長次を除く他のメンバーがAの来た向こうの川岸に立っていた。



Aに気づいた彼らは、川を渡れる所まで遠回りをして合流するとだけ伝え、川を下っていった。






綾部「はぁーあ。」


あからさまに大きなため息を吐く喜八郎。



A「⋯?」


綾部「これでわたぬきさんと二人きりじゃなくなる⋯」



立腹の喜八郎は頬を膨らませ、ブツブツと何か言っていた。






A「──⋯帰ろ?」



喜八郎の目の前にしゃがんでそう問い掛けたA。



ムスッとした顔のまま頷く喜八郎をもう一度抱き締めた。

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踊り子(プロフ) - 莉央さん» コメントありがとうございます!初の作品にこのようなコメントを頂けてとても嬉しいです!これからも応援宜しくお願いします! (2017年6月14日 22時) (レス) id: 44de9b1867 (このIDを非表示/違反報告)
莉央(プロフ) - 初めまして!とても面白いし、キュンキュンします!そして、1人1人のキャラの性格がせいかくでとてもいいです!これからも楽しみにしています!! (2017年6月14日 8時) (レス) id: 0ced02d264 (このIDを非表示/違反報告)
踊り子(プロフ) - さかなさん» コメントありがとうございます!気に入ってもらえて感激しています!楽しんでいただけるよう努力いたします! (2017年5月31日 19時) (レス) id: 44de9b1867 (このIDを非表示/違反報告)
さかな - 初めまして、とっても面白いです!!更新まってます! (2017年5月31日 1時) (レス) id: ec534ce4f8 (このIDを非表示/違反報告)
踊り子(プロフ) - 白菜さん» コメントありがとうございます!ストーリーが好きと言われ、とても感激しております!これからの更新もこのように言っていただけるおかげで頑張っていけます!ありがとうございます! (2017年5月30日 3時) (レス) id: 44de9b1867 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:踊り子 x他1人 | 作成日時:2017年4月23日 19時

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