六十四 ページ14
私が団子を食べようと串を掴むと
善法寺「あ!食べる前に!」
善法寺さんに止められた。
善法寺「四月一日さん、確か十九歳でしたよね?」
A「はい⋯?」
善法寺「なら、その善法寺さんとか敬語は取っても良いですよ」
A「え⋯?」
善法寺「僕は構わないというか、もっと四月一日さんとお近づきになりたいというか⋯」
善法寺「四月一日さんと、もっと分かり合えたらな〜と⋯」
その言葉に小さな衝撃を受けた。
年下とはいえ、命の恩人だという認識がずっとあり、そのため忍術学園の方々には腰を低くしていたのだが⋯
それは私の自己満足であり、
善法寺さんたちからすると、距離を置かれていると思われて当然である。
善法寺「伊作と⋯」
A「⋯」
善法寺「そう呼んでください。」
少し考えたが、恩人の頼みとあればお易い御用。
A「はい。伊作君。」
目を見て名前を呼ぶと、それがすごく嬉しかったのか、
今までにないくらいキラキラとした笑顔の伊作君が見られた。
善法寺「あと⋯」
ふと視線を外し、控えめに言葉を切り出す伊作君。
A「⋯?」
様子のおかしい彼の顔を前に屈んで覗きみる。
視線が合うと少し驚いた表情になり、改まったように体の向きを変え、
団子を挟んで私たちは向かい合った。
善法寺「僕も、⋯Aさんとお呼びしていいですか?」
A「ぇ?いいですよ」
よっぽど言い出しにくい事なのかと思いきや、そんな事かと拍子抜けした。
善法寺「え」
私が即答したので、伊作君も呆気に取られていた。
思わず失笑してしまい、謝りながら団子を食べようと切り出した。
A「ふふっ。伊作君ってしっかりしているようで、実は奥手だったりするんだ。」
善法寺「え、そうですか?」
忍術学園までの帰り道、私たちは肩を並べて歩いていた。
A「でも今日は本当にありがとう。なんか⋯元気出た。」
今日一日の会話を思い出しながら、自分は素晴らしい人たちに助けられたんだと痛感した。
しかし、Aには忘れてはいけない事が一つあった。
彼女は心の奥深くに
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踊り子(プロフ) - 莉央さん» コメントありがとうございます!初の作品にこのようなコメントを頂けてとても嬉しいです!これからも応援宜しくお願いします! (2017年6月14日 22時) (レス) id: 44de9b1867 (このIDを非表示/違反報告)
莉央(プロフ) - 初めまして!とても面白いし、キュンキュンします!そして、1人1人のキャラの性格がせいかくでとてもいいです!これからも楽しみにしています!! (2017年6月14日 8時) (レス) id: 0ced02d264 (このIDを非表示/違反報告)
踊り子(プロフ) - さかなさん» コメントありがとうございます!気に入ってもらえて感激しています!楽しんでいただけるよう努力いたします! (2017年5月31日 19時) (レス) id: 44de9b1867 (このIDを非表示/違反報告)
さかな - 初めまして、とっても面白いです!!更新まってます! (2017年5月31日 1時) (レス) id: ec534ce4f8 (このIDを非表示/違反報告)
踊り子(プロフ) - 白菜さん» コメントありがとうございます!ストーリーが好きと言われ、とても感激しております!これからの更新もこのように言っていただけるおかげで頑張っていけます!ありがとうございます! (2017年5月30日 3時) (レス) id: 44de9b1867 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:踊り子 x他1人 | 作成日時:2017年4月23日 19時