六十二 ページ12
食堂に行った喜八郎。
綾部「⋯何でまだいるの?」
だいぶ前に食堂へ行ったはずの滝夜叉丸が、食事を食べ始めたところだと気づき、声を掛ける。
平「今の今まで七松先輩にランニングに連れ出されていたのだ。」
綾部「へ〜」
平「お前はどうなんだ?用事は済んだのか?」
綾部「うん。滝夜叉丸がいるとは思わなかった」
喜八郎の用が一体何だったのか、少し考えてみるが何も浮かばない滝夜叉丸。
綾部「⋯中在家先輩がいるとも思わなかったな〜」
平「ん?」
思い出したように呟いた喜八郎。
その言葉に反応した滝夜叉丸だが、それを無視してご飯を頬張る喜八郎にガクッと崩れる。
綾部「中在家先輩。」
医務室への廊下を歩いていると、中在家先輩と遭遇した。
今⋯医務室から出てきた。
綾部「どこかおケガでも?」
そう聞くと首を横に振った。
中在家「⋯新野先生が人を探しておられたので気になっていた。私も探したが、授業が始まってしまったからな⋯今様子を見に伺ったら、探していた人が見つかったようで、これから食堂へ行くところだ⋯」
綾部「ほぉ」
無口の中在家先輩と言葉を交わすことがあまりないので、少しだけ緊張した。
中在家「⋯お前も医務室へ用か?」
綾部「あ、はい。まあ」
中在家「⋯そうか。⋯病人がいるから静かにな。」
中在家先輩が言う病人とは、おそらくわたぬきさんの事かな?
綾部「はーい」
中在家先輩とすれ違って医務室の戸を開けた。
新野「おや、喜八郎君。どうされましたか?」
入ると新野先生が座る傍ら、わたぬきさんが横になっていた。
朝は普通そうだったのに⋯
綾部「わたぬきさんに会いにきました。」
新野「それはそれは⋯ですが四月一日さんは、少し体調が良くないみたいで」
綾部「知ってます。だから来たんです。」
わたぬきさんが眠る布団の側に正座する。
新野「おや、知っていたんですか。」
新野先生が驚いたようにそう言ったが、実は僕も引っ掛かっていた。
どうして急に医務室へ来ようと思ったのか。
でも確かに、あの時わたぬきさんに呼ばれた気がした。
眠るわたぬきさんの顔を見てると、そう考えるのも悪くないと思った。
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踊り子(プロフ) - 莉央さん» コメントありがとうございます!初の作品にこのようなコメントを頂けてとても嬉しいです!これからも応援宜しくお願いします! (2017年6月14日 22時) (レス) id: 44de9b1867 (このIDを非表示/違反報告)
莉央(プロフ) - 初めまして!とても面白いし、キュンキュンします!そして、1人1人のキャラの性格がせいかくでとてもいいです!これからも楽しみにしています!! (2017年6月14日 8時) (レス) id: 0ced02d264 (このIDを非表示/違反報告)
踊り子(プロフ) - さかなさん» コメントありがとうございます!気に入ってもらえて感激しています!楽しんでいただけるよう努力いたします! (2017年5月31日 19時) (レス) id: 44de9b1867 (このIDを非表示/違反報告)
さかな - 初めまして、とっても面白いです!!更新まってます! (2017年5月31日 1時) (レス) id: ec534ce4f8 (このIDを非表示/違反報告)
踊り子(プロフ) - 白菜さん» コメントありがとうございます!ストーリーが好きと言われ、とても感激しております!これからの更新もこのように言っていただけるおかげで頑張っていけます!ありがとうございます! (2017年5月30日 3時) (レス) id: 44de9b1867 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:踊り子 x他1人 | 作成日時:2017年4月23日 19時