六十一 ページ11
A「──⋯どうして、⋯いるんですか？」
目の前にいる喜八郎君に乞う。
綾部「呼ばれた気がしたから。」
A「⋯私が？」
首を縦に振った喜八郎君は、私の額に貼り付いた前髪を指で退かした。
自分の汗の量に驚いた。
袖で拭うと汗染みになった。
新野「四月一日さん。」
新野さんの声に反応して起き上がろうとすると、喜八郎君に止められ、そのまま布団に戻される。
新野「落ち着いたようですね。さて⋯」
新野さんの聞きたいことは分かっている。
新野「何があったのか聞きたいところですが⋯」
新野「まずはご飯にしましょう。」
A「ぇ⋯」
予想と異なる発言に拍子抜けした。
にこりと微笑んだ新野さんはお盆に置かれた器を差し出した。
新野「おばちゃんが作ってくれましたよ。」
起き上がると、
新野「これを食べて早く元気になってください。だそうです。」
おばちゃんからの
けど⋯
この前は途中で部屋を出てしまって、冷めたもの温め直して頂いたから
今回は出来たてを最後まで頂こう。
A「⋯⋯ありがとうございます。いただきます。」
器から伝わる温かさを感じながら、一口掬って口に含むと頬がジーンとなった。
美味しいな⋯
ぐぅ〜
腹の虫が聞こえてきた。
A「⋯喜八郎君、ご飯は？」
新野「そうです、綾部君も夕食がまだなんでしょう？」
すると喜八郎君は首を横に振った。
綾部「まずわたぬきさんが食べてよ。それ見たら行くから。」
私が食べ終わるまで居ると言い張る喜八郎君。
何故そんなことを言うのか、喜八郎君の考える事は分からなかったが
喜八郎君の夕食を食べる時間がなくならない内に器を空にした。
綾部「これ返しとくから、わたぬきさんは安静にね。」
お盆を持ち立ち上がった喜八郎君は、念を押すように私に視線を送り、医務室を出ていった。
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踊り子(プロフ) - 莉央さん» コメントありがとうございます！初の作品にこのようなコメントを頂けてとても嬉しいです！これからも応援宜しくお願いします！ (2017年6月14日 22時) (
レス) id: 44de9b1867 (このIDを非表示/違反報告)
莉央(プロフ) - 初めまして！とても面白いし、キュンキュンします！そして、1人1人のキャラの性格がせいかくでとてもいいです！これからも楽しみにしています!! (2017年6月14日 8時) (レス) id: 0ced02d264 (このIDを非表示/違反報告)
踊り子(プロフ) - さかなさん» コメントありがとうございます！気に入ってもらえて感激しています！楽しんでいただけるよう努力いたします！ (2017年5月31日 19時) (レス) id: 44de9b1867 (このIDを非表示/違反報告)
さかな - 初めまして、とっても面白いです！！更新まってます！ (2017年5月31日 1時) (レス) id: ec534ce4f8 (このIDを非表示/違反報告)
踊り子(プロフ) - 白菜さん» コメントありがとうございます！ストーリーが好きと言われ、とても感激しております！これからの更新もこのように言っていただけるおかげで頑張っていけます！ありがとうございます！ (2017年5月30日 3時) (レス) id: 44de9b1867 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：踊り子 x他1人 | 作成日時：2017年4月23日 19時
