【忍たま】ひとえに縁となる (ページ6)

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再び目を覚ますと先程とは別の人が私の顔を覗き込んでいた

？｢目が覚めたみたいですね。起き上がれそうですか？｣

深緑の頭巾を巻いた彼に言われて、ゆっくりと身体を起き上がらせた

身体はまだ痛むが動けないほどではない
痛み止めが効いているのだろう

まだ覚醒しきってない頭で辺りを見回すともう1人いたようだ
目が合うと彼は一度礼をした

やはり、着ていたはずの制服でも入院着でもなく浴衣を着ていた
手を広げたり腕を動かす
痛いには痛いが無理に動かさなければ大丈夫だろう

『ねえ…保健室って聞いたんだけど、ここはどこなの？』

？｢ここは学園です。あなたは学園の敷地内にある山の中で怪我をして倒れていました。そこにいる彼がここまで運んで、僕と最初にいた先生が治療しました。｣

…？山の中って何
交通事故で運ばれた先が学園の保健室？
最初の人はともかく明らかに若いこの人が治療を？
わけがわからない
でも助かっているのは事実だし…

『助けてくれてありがとうございます？』

？｢いえ、保健委員として当然のことをしたまでです
よ。｣

？「助かって良かったです。」

色違いの袴を着た2人
いや、袴と言うよりまるで忍者のような格好をしている
和室に時代劇で見るような薬草箱
段々と覚醒してきた頭はその違和感を嫌な予感へと変える

『…私は、トラックにはねられて道路に吹っ飛ばされたはずで、近くに山なんてなかったのだけれど。』

？｢とらっく？はねられたと言いましたが、あの場には轢いた跡のような痕跡はありませんでしたよ？｣

彼は不思議そうに首を傾げる
トラックを知らないような口ぶりに冷や汗が流れた

『いま、今の年号って令和ですよね…？』

？「れいわ？今は室町時代ですが。」

『……。』

彼が嘘を言っているようにも思えない
嫌な予感は確信へと変わった

私は約500年前に来てしまった

その事実に頭を抱え目を伏せた

？「あの、大丈夫ですか？」

心配そうにこちらを瑠璃色の袴を着た彼が問う

どうしてこんなことになったかは分からないし、説明の仕様もない

どうしたらいいか考えていると、ふと視界の端に見覚えのある物が写った

『あ、私の鞄。』

？「倒れていた近くに落ちていました。念の為、中は改めさせてもらいました。」

私から離れていた彼は鞄を持って近寄り、私に手渡してくれた

そして

？「この中には見たことのないものが多くありました。…あなたは、何者ですか？」