┗終 ページ12
泣き出した私、鉢屋くんはハンカチを取り出して私の涙を吹いた
そのおかげで涙も止まり、落ち着いて話そうと近くにある私の家に行った
三、私「『…』」
案内したは良いけど何から話せば?!
さっきは感動のあまり泣いちゃったし…
三郎「…ずっと待たせてすまなかった。お前の親友が言っていた。4年も待たせる酷い男だと。本当にその通りだ。」
『たった4年です。私は全然苦ではなかった。』
彩はそんなことを言ったのか…
まさか知り合いだと思わなかったが、これも縁なのだろう
彩を通じて会うことが出来たのだから
『鉢屋くんにとっては500年ですよ。それに比べたらちっぽけなもの。…鉢屋くん、約束守ってくれてありがとう。私、本当に嬉しいです。』
三郎「変わらないな。あんな荒唐無稽な約束をした私も悪いが、律儀に待っているお前も愚か者だよ。」
『鉢屋くんだって、そんな愚か者な私を探していてくれたんでしょう?』
三郎「そうだな…。」
軽口を言いながら笑い合う
きっとあの時代にいたら、鉢屋くんと共に過ごすとこは叶わなかった
彼も分かっていたから、この可能性に賭けたんだ
私達はどうしようもなく愚か者同士なのかもしれない
『…愚か者のままな私は嫌いですか?』
三郎「私を待ち続ける愚か者なAが好きだよ。私と共にいてくれるか。お前の傍で、お前の笑う顔が見ていたい。お前の綺麗な姿を最初に見るのは私がいい。」
鉢屋くんはそう言って、鞄から箱を取りだして開けた
『…うそ。これって私が持っていた簪。』
三郎「前のと同じようにはいかないが、そっくりに作った。持っていると約束したからな。」
ふっと彼は笑って、私の後ろに立った
そして以前のように、私の髪をすいて髪を結ってくれた
三郎「髪が伸びたな。」
『似合うようになりたかったので。』
三郎「元々似合っていた。」
『なんだか変な感じ。場所も何もかも違うのにあの時に戻ったみたい。』
三郎「そうだな。」
鉢屋くんは以前とは違って、不破くんの顔はしているものの見分けがつかないほどではない
元の顔の要素が少しだけ入っているらしい
『なんだか大人びてます。』
三郎「そりゃそうだ。Aと同じ歳になってるんだから。」
『不思議ですよね。忍たまの世界はなくなって、代わりに私と同じ時を生きた。』
三郎「願いが通じたんだろう。」
両手を握りあって、額を合わせ目を瞑る
この時が続くよう、共に生きることのできる時間を私達は噛み締めた
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澄香 - 完結おめでとうございます!結構前の作品ですが、、、とても素敵な作品でした! (2月3日 20時) (レス) @page21 id: 3292c399a2 (このIDを非表示/違反報告)
スイちゃんですよ〜☆ - 完結おめです!!!!リーヴル様の他の作品を見てきます(^^ω) (2023年1月24日 18時) (レス) id: 888b3d648c (このIDを非表示/違反報告)
まんじゅうDX - 結構前の作品ですが, 完結おめでとうございます。読んでしまったら読む手が止まらなくなる,そんな心惹かれる素敵な作品でした。キャラ達の夢主への心情の変化や夢主の心の変化が少しづつ変わっていくのがとても面白かったです。本当にありがとうございました!! (2022年8月11日 0時) (レス) @page21 id: b43443e8a9 (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - 最高に面白かったですし、めちゃくちゃ泣きました。本当に素敵な作品でした。完結、寂しいですがこれからも頑張ってください!本当にありがとうございました! (2022年1月19日 18時) (レス) id: 5c55cc0d78 (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - 本当に面白かったです!何で今まで気づかなかったんだろう、と思うくらいの傑作です。オチが多数あったり、作中に伏線を入れていたりと工夫がされていて、読みごたえがありました。最高の作品をありがとうございました! (2021年12月15日 18時) (レス) @page21 id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リーヴル | 作成日時:2021年3月24日 1時