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善法寺伊作side
城の外に出た
向かっている方向には学園がある
自然と足がそちらに行っていると気づいて苦笑した
Aちゃんを交えてお酒を飲んだ時以降、同級は一切僕の想いに口をだすことは無かった
そしてそのまま卒業を迎えた
彼女と最後に話したあの場で僕は彼女への気持ちが恋なのだと自覚した
そして、その気持ちにすぐ蓋をしたはずだった
…
………
……………
伊作「Aちゃん、泣きすぎだよ。」
『グスッ…すみません…、6年生が卒業していく姿を見れると思わなくて…。嬉しさとか寂しさとかごちゃごちゃで…。』
手拭いで目を抑えながら泣き続ける彼女の頭を撫でた
『…伊作くん、卒業おめでとうございます。』
伊作「ありがとう。」
『どうか生きてください。タソガレドキ軍なら安心ですけれど、何が起きるか分かりませんから。』
伊作「うん。」
『怪我だって命の危険だってあるでしょう。…生きて、いつか会いに…いえ、この学園のことを思い出してくださいね。』
撫でる手が止まった
「会いに来て」と言おうとしたのだろうか
君は卒業しても会いたいと望んでくれるの
忍たまの1人だからなのか、それとも僕に会いたいと思ってくれるの?
伊作「…重症だな。」
『え?』
伊作「いや、なんでもないよ。きっと就職したら今までとは違って忙しくなる。それでも忍術学園で過ごしたことは忘れない。絶対に思い出すよ、約束する。」
『…嬉しいです。』
パッと嬉しそうに笑う彼女
目には涙が溜まっているが、泣き止んで僕を見ている
Aちゃんの頭の上に置いていた手を下ろして、指で彼女の涙を拭った
そして抱きしめた
伊作「さようなら。」
『…さようなら。』
……………
………
…
彼女は絶対にわがままを言わないし、甘えたりもしない
根づいた性格は早々変わるものでは無い
Aちゃんの「会いに来て」という本音を僕は気づかないふりをした
お互い「さようなら」と言い合ったのだ
きっと彼女に会えば、もう気持ちに嘘をつくことはできない
学園に顔を出しても彼女と会うことはできない
だというのに…
伊作「会いたいと思うなんて…。はあ…忍者の三禁って本当に馬鹿にならないな。」
…行こう
これで自分の気持ちにケリをつけるんだ
彼女の想いと僕の想いが重なることはないのだから
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澄香 - 完結おめでとうございます!結構前の作品ですが、、、とても素敵な作品でした! (2月3日 20時) (レス) @page21 id: 3292c399a2 (このIDを非表示/違反報告)
スイちゃんですよ〜☆ - 完結おめです!!!!リーヴル様の他の作品を見てきます(^^ω) (2023年1月24日 18時) (レス) id: 888b3d648c (このIDを非表示/違反報告)
まんじゅうDX - 結構前の作品ですが, 完結おめでとうございます。読んでしまったら読む手が止まらなくなる,そんな心惹かれる素敵な作品でした。キャラ達の夢主への心情の変化や夢主の心の変化が少しづつ変わっていくのがとても面白かったです。本当にありがとうございました!! (2022年8月11日 0時) (レス) @page21 id: b43443e8a9 (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - 最高に面白かったですし、めちゃくちゃ泣きました。本当に素敵な作品でした。完結、寂しいですがこれからも頑張ってください!本当にありがとうございました! (2022年1月19日 18時) (レス) id: 5c55cc0d78 (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - 本当に面白かったです!何で今まで気づかなかったんだろう、と思うくらいの傑作です。オチが多数あったり、作中に伏線を入れていたりと工夫がされていて、読みごたえがありました。最高の作品をありがとうございました! (2021年12月15日 18時) (レス) @page21 id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リーヴル | 作成日時:2021年3月24日 1時