132.お前が適任 ページ43
中在家長次side
帰ってきてくれて良かったと切に思った
嬉しそうに、でもまだ申し訳なさそうに泣く彼女を囲むようにして忍たまは嬉しそうに笑っている
前髪を切ったことは良い効果をもたらせた
今まで分からなかった表情がよく見える
Aは1年生一人ずつ抱きしめている
い組は照れているようだったが、しょうがないからと抱きしめられていた
2年生は彼女の後ろで、やれやれと言うように見つめていたが、四郎兵衛が抱きついたことで慌てていた
3年と4年ははその様子を見て笑っている
5年はそれを見ながら何か話しているようだが楽しそうだ
そんな彼女と後輩たちを私たちは見ていた
彼女が来たことでこの学園は活気を取り戻し始めた
元通りになるには、まだ少し時間が必要だが確かに前に進むことができた
ここはもう彼女の居場所なのだ
彼女の強い意思、しかし脆く弱い心を理解したいと皆が思っている
まだこちらも時間がかかるだろうが…
伊作「本当に良かった…。」
留三郎「そうだな。」
仙蔵「…しかし、ここまでの自己肯定感の無さはなんだ?」
小平太「自己犠牲もだな。」
文次郎「確かここよりはずっと平和だと聞いていたが、そんな人間が捨て身で会ったこともないような賊や曲者に立ち向かえるか?」
長次「…事情が何かしらあるのだろう。例えばだが、家庭環境…」
伊作「おいそれと聞ける事情じゃないよね。」
小平太「それこそ、伊作の出番じゃないのか?」
伊作「え?僕は確かに保健委員だけど…。」
小平太「そうじゃなくてだな…A自身の奥底にある事情なんて他人に話せるものじゃない!だから、事情を聞いて話してもらえるくらいの仲になればいいんだ。お前が適任だろう!」
やけに小平太が断言している
何か思うところがあるのだろうか
そう言われた伊作は考え込んでいた
留三郎「最初っから仲が良かったのは伊作だしな!」
伊作「それなら留三郎もでしょ。…まあ知りたいと思うのも事実だし、Aちゃんが話してくれるくらいにはなりたいかな。」
ふと視線を感じて、そちらを見るが誰も見ていなかった
気のせいではないなら、小平太の言葉に反応した者がいるはずだ
一波乱が起きそうな気もしてくるが…
私は彼女が安心して図書室へ本を読みに来てくれるのならそれで良い
そのくらいの居場所は作ってやりたいと心の中で決意した
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スイちゃんですよ〜☆ - Ahoy!!最高です!続編に出航!!!! (2023年1月24日 15時) (レス) id: 888b3d648c (このIDを非表示/違反報告)
スイちゃんですよ〜☆ - (^^ω)だだダ大統領になったらね☆まずは、リーヴル様を捕まえるね!と言う冗談は、そこら辺に捨ててね、 (2023年1月24日 15時) (レス) @page50 id: 888b3d648c (このIDを非表示/違反報告)
リーヴル(プロフ) - あーーさん» お褒めの言葉ありがとうございます。神様だなんて…。あーーさんの心に残る作品になれて幸いです!これからもよろしくお願いします。 (2021年3月8日 1時) (レス) id: 17c0458bc0 (このIDを非表示/違反報告)
あーー - 何この素敵な作品…リーヴルさんは神様ですか? (2021年3月8日 1時) (レス) id: d228b33f0e (このIDを非表示/違反報告)
リーヴル(プロフ) - あまねさん» 愛の告白をありがとうございます(笑) 作品を気に入っていただけて嬉しいです。これからもよろしくお願いします。 (2021年3月7日 19時) (レス) id: 17c0458bc0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リーヴル | 作成日時:2021年3月1日 13時