96.トラウマ ページ5
火薬庫が見えてくると少しだけ恐怖が蘇った
伊助「…大丈夫ですか?」
『うーん、ごめんね。ちょっときついかも…。手汗が酷いから手を離していいよ。』
伊助「いいえ、離しません。…僕も火薬庫に行くの不安です。でもAさんと手を繋いでいるから平気です。僕も汗かいちゃってるからお揃いですね。」
えへへと笑った
気を使ってくれたのだろう
申し訳ないなと思いながらも心が軽くなった
火薬庫をもう一度見る
私の中で、あれは思っいたよりもトラウマになっていたことが驚いた
今までも、元の場所でも、何されても基本的に平気だったと言うのに
それほどまで、あの暗闇で敵意を持った笑みを自分が彼らから向けられていたことは怖かったのだと実感した
三郎次「…気分が悪いなら、帰れば?足でまといになる。」
伊助「三郎次先輩!」
こちらを振り返って睨むように言った
それを伊助くんがたしなめる
『伊助くん、いいよ。池田三郎次くん、ごめんなさい。足でまといなのは分かってるんだけど、私にもやらないといけない事があるの。だから手伝わせてください。』
じっとこちらを見て、ため息をついた
するとこちらに歩いてきて伊助くんとは反対側の隣に立ち服の袖を掴んだ
三郎次「…左近から聞いてるけど、僕はまだ信用しないからな。でも、お願いは聞いてやる。これなら歩けるだろう。」
『…ありがとう。』
伊助「三郎次先輩が優しい。」
三郎次「僕はいつも優しいだろ。」
伊助「えー。」
三郎次「えーとはなんだ!これだからあほの「は組」は…。」
伊助「うわっひどい!」
三郎次「こっちのセリフだ!」
私を挟んで2人が言い合いをする
会話の内容はいつもアニメで見ているような仲の悪い感じだが、言い合っている2人の表情は明るい
先程よりも足は軽くなった
池田三郎次くんに袖を引かれて、伊助くんに手を引かれて火薬庫へと歩いた
火薬庫に着くと2人は立っていた
兵助「…火薬庫に来ても大丈夫なんですか?」
『少しだけ怖いみたいだけど、2人がついていてくれたので平気です。』
兵助「そうですか…。あいつらに変わって謝罪します。すみませんでした。」
『いえいえ、謝る必要はありませんよ。しょうがないことでしたし。』
5年や6年以外はあの騒動の詳細を知らないのだろう
周りにいる3人はどうして久々知兵助くんが誤っているのか理解できないようだった
兵助「そうですか…。」
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スイちゃんですよ〜☆ - Ahoy!!最高です!続編に出航!!!! (2023年1月24日 15時) (レス) id: 888b3d648c (このIDを非表示/違反報告)
スイちゃんですよ〜☆ - (^^ω)だだダ大統領になったらね☆まずは、リーヴル様を捕まえるね!と言う冗談は、そこら辺に捨ててね、 (2023年1月24日 15時) (レス) @page50 id: 888b3d648c (このIDを非表示/違反報告)
リーヴル(プロフ) - あーーさん» お褒めの言葉ありがとうございます。神様だなんて…。あーーさんの心に残る作品になれて幸いです!これからもよろしくお願いします。 (2021年3月8日 1時) (レス) id: 17c0458bc0 (このIDを非表示/違反報告)
あーー - 何この素敵な作品…リーヴルさんは神様ですか? (2021年3月8日 1時) (レス) id: d228b33f0e (このIDを非表示/違反報告)
リーヴル(プロフ) - あまねさん» 愛の告白をありがとうございます(笑) 作品を気に入っていただけて嬉しいです。これからもよろしくお願いします。 (2021年3月7日 19時) (レス) id: 17c0458bc0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リーヴル | 作成日時:2021年3月1日 13時