丑三つの長屋 五段 ページ45
side 久々知兵助
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竹谷「……おい…」
鉢屋「…あぁ……。来たな…」
尾浜「紐を弾く前に確認しないと」
不破「こ、怖い……」
久々知「俺が見てくるよ」
戸の向こうの気配は
幽かだが、俺達に届いた。
俺は布団から出て、
匍匐前進で戸まで進んだ。
久々知「……っ…、ふぅ…」
部屋が緊張感に包まれる。
俺は目撃しようとしていた。
その正体を…
そっと戸の下の方に手をかけ、
静かに開ける。
屈んだ状態で出来るだけ
下から廊下へと視線をやった。
久々知「………へ…?」
真っ暗な廊下だ。
そう思い視線を上げれば、
ソレは俺を見下ろしていた。
般若のお面が俺を捉える。
その目に俺は動けなかった。
真っ暗だと思っていた廊下は
廊下ではなく、真っ黒な服だと後から気付く。
鉢屋「ぉぃ……大丈夫かぁ…?(ヒソッ」
尾浜「早く合図しろー(ヒソッ」
竹谷「……何だ?」
不破「様子がおかしい…」
皆の声は俺には届かなかった。
中在家先輩の「知らなくていい事」が
これの事…
しばらく交わされる視線。
突然、ソレは音も無く屈んで
俺と目線を合わせてきた。
そして、
何やら小さな紙包みを俺に渡してくる。
が、それでも俺は動けなかった。
受け取る事が出来ない…
それを察したのか、
ソレは静かに俺の目の前の床に置いた。
その後、ソレは立ち上がり
静かに後ろを向いて去ってしまった。
俺はただそれを見えなくなるまで見送った。
久々知「………っ…! 何だった……んだ…?」
竹谷「おい、兵助! 大丈夫か?」
久々知「あ、ああ…。なんとか…」
尾浜「ん? 何だ? これ」
見えなくなったところで
後ろから八左ヱ門が俺の背中に触れた。
意識が戻される。
心臓がバクバクしてる…
俺の近くにあった包みを
勘右衛門が拾い上げる。
包み方を見ると
何かの薬…?
勘右衛門は丁寧に開いていく。
尾浜「粉だな」
鉢屋「包み方的に薬なんだろが、これだけじゃ何の粉か解らない…」
不破「明日、善法寺伊作先輩に聞いてみよう!」
俺達はその会話を最後に
各自部屋に戻って明日を待った。
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千雪(ーωー) - お久しぶりです!更新止まってるみたいなのですが大丈夫ですか?また、鴫碧さんの小説が読めることを楽しみにしておきます!! (2022年11月7日 17時) (レス) id: 2c3e10b906 (このIDを非表示/違反報告)
鴫碧(プロフ) - ラムネさん» はじめまして! コメありがとうございます! わかりやすくネタバレになってしまいますが、忍たま全員と関わっていこうとおもっておりますw どうぞこれからも宜しくお願いしますm(_ _)m (2022年9月30日 19時) (レス) id: dea0075d52 (このIDを非表示/違反報告)
ラムネ(プロフ) - 初めまして!いつも見させてもらっている者です!! これからどうなっていくのか、、更新楽しみにしています! 個人的にはいろんな忍たまとの関わりが見たいな〜、なんて思ってますw (2022年9月30日 18時) (レス) id: 7118247792 (このIDを非表示/違反報告)
鴫碧(プロフ) - 千雪(ーωー)さん» お久しぶりです! ただのチキンですよwww なるべくこまめに更新しますので、よろしくお願いしますm(_ _)m (2022年9月28日 23時) (レス) id: dea0075d52 (このIDを非表示/違反報告)
千雪(ーωー) - お久しぶり!鴫碧さん優しいですね(*^-^*)尊敬します!これからも応援しますね💖💖 (2022年9月28日 19時) (レス) id: 2c3e10b906 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鴫碧 | 作成日時:2022年7月23日 0時