【男主】もう一人の六年生は任務中 捌【忍たま】

盗んだ巻物 五段 ページ20

side 食満留三郎

________________________________________






留三郎「伊作、入るぞ。……ってA！？ 土井先生に乱太郎、数馬」


伊作「やあ、留三郎」


乱太郎「食満留三郎先輩、こんにちは」


三反田「どうかされたんですか？」


留三郎「どうかされたんですか？じゃないだろ！ なんだこの状況は！ 説明しろ！」


伊作「留三郎！ ちょっと落ち着いて…！」



















正午





委員会を終えた俺は部屋に戻ったが、

伊作の姿がなく医務室へ向かった。



一緒に食堂へ行こうと言っていたから

部屋で待っていると思った…




そして、医務室の戸を開ければ

最初に目に入ったのは

意識の無いAの姿



一瞬、心臓が跳ねるのがわかる。






その場に土井先生の姿があることから

深刻なんだと察する。
















が、それは思い込みだったようで……



















『……………うるさ…』


乱太郎「へ？ A先輩…？」


三反田「先輩！ 聞こえますか？」


土井「A！」


『うるさいってば！ 俺病人なの！ わかる！？ もうちょっと静かにして！』


留三郎「す、すまん」


『いいよ、おやすみ(((』















そしてAは再び寝息を立て始める。

部屋が一気に静寂となる。




な、なんだったんだ…

取り敢えずAは大丈夫なんだよな…？


















伊作「と、取り敢えず医務室から出てもらえると助かる…！ Aがちゃんと目が覚めたら言うから」


留三郎「俺に一番に報告しろよ」


伊作「ふふっ、わかってるって」












俺は伊作の言うとおり

医務室から出ることにした。



加えて土井先生も一度退室するそうだ。





土井先生と廊下を歩いていると、



















伝蔵「土井先生、ちょっと」


土井「山田先生？」
















途中、山田先生が土井先生を呼び止める。

俺は土井先生に浅く頭を下げてその場を離れた。














何の話か気になるところだが、

この世には「知らなくてもいい事」がある。




そう言ったお前にも

「知らない事」ってあるんだろうか…



















留三郎「……なぁ、A…」



















俺は独りで部屋に戻った。





__________

本当は嘘 一段→←盗んだ巻物 四段

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す