【男主】もう一人の六年生は任務中 捌【忍たま】

盗んだ巻物 一段 ページ16

side 山田利吉

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利吉「はぁ……どうしたものか…」

















思ったより大きな独り言が出る。

医務室の前の中庭をぼんやり眺めていた。




その独り言を拾って

話しかけてくる生徒がいたようで…


















きり丸「利吉さんにも悩みってあるんスねー」


利吉「まあな。しんべヱは一緒じゃないのか？」


きり丸「しんべヱなら委員会に行ってます」


利吉「そうか。………なぁ、きり丸…」


きり丸「はい？」

















「土井先生ってAの事、どう思ってるのかな」

………なんて、きり丸に聞いたらいけないか…






土井先生の事はよく知っているつもりだ。



けど、土井先生が

Aに必死になる理由が解らない。




どういう経緯でAが

忍術学園に入ったのかも曖昧だ。



以前、父上に聞いたが流されてしまった。

私には言えないことなのか…？















きり丸「利吉さん？」


利吉「あ、いや、Aって何であんなに薬草とか詳しいのかなーって…」


きり丸「利吉さんも気になるんスか？」


利吉「私以外にもいるのかい？」


きり丸「ほぼ全員スかねー。薬草だけじゃなくて毒草にも詳しいもんだから、その知識を巡って忍術学園の周りには曲者だらけっスよー。前からいるのはタソガレドキで、最近だとドクタケもちょくちょく見かけますね」



















考えてたいた事と違う事を言う。



まあ、気になる事の一つだったから、

きり丸が何か知っていれば聞き出したいと思った…




案の定、

きり丸の口からは「タソガレドキ」…


最近だとドクタケも動いているのか…






確かに、忍術で毒草を用いる事はある。

知識があれば尚、有利。



















きり丸「あ、でもこの前は珍しい服を着た忍者がいたなぁ…」


利吉「珍しい服？ いったいどんな？」


きり丸「全身真っ黒で背中に刀を携えてました」


















全身真っ黒の忍服

そして刀…



一瞬、脳裏にある忍者がチラつく。














利吉「そうか、ありがとう。では私は父の所へ戻るよ」


きり丸「はい！」

















私はきり丸と話を切って医務室の戸に手を掛けた。



まさか、Aの存在がバレたとでもいうのか。

いったいいつから…







作戦は上手くいったいと聞いていたが…



















黒脛巾組…




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