【男主】もう一人の六年生は任務中 捌【忍たま】

盗まれた巻物 六段 ページ11

side 山田利吉

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『あれ？ いつの間に』


諸泉「背中に刺さってたら気付くでしょ…」


利吉「痛くないのか…？」


『んー、ちょっとね。てか早く抜いてよ』
















背中に矢が刺さって気付かないなんて…

痛みの感覚が鈍いのか？



見たところ、

矢自体はそこまで深く刺さってない。



これを引き抜くのは抵抗があるが、

やるしかないか…



















『あ！ 丁度いい！ これを使おう！』


諸泉「草？」


『これはチドメグサって言って、その名の通り止血の効果があるんだ。』


利吉「前から思っていたが、Aって何でそんなに薬草に詳しいんだ？」


『そりゃ、勉強したからね！ 巻物を読んで』


諸泉「随分沢山の巻物を読んだんだな…」


『え？ 巻物は一つだよ？』


















矢が刺さっているというのに

それを気にもとめない…


本当に痛くないのか…



それはそれで心配だ。






巻物を読んで勉強したと聞いて、

少しばかり興味が湧く。



いったいどんな巻物なんだ



















『さっきの白い巻物に全部書いてあるよ？』


諸泉/利吉「「え」」



















さっきの巻物…？


それってあの白い巻物！？




待て待て！

その巻物は数年前に盗まれて、

それからは行方がわからなくなっていたはず…




……まさか…………



















利吉「はぁ……A、怒らないから正直に話してくれ。あの巻物をシラタケ城から盗んだのはキミか？」


『え、あ、はい。』


諸泉「だからシラタケ城の事を知っていたのか…」


















この任務、

Aを同伴させたのは

Aがシラタケ城に一度侵入した事があると

知っていたからだ。



恐らく、タソガレドキも同じ理由だろう。




だが、まさかAがその巻物窃盗の

犯人だったなんて…



読みが甘かったか……。







一人で考え込んでいる間に

諸泉尊奈門がAに刺さった矢を抜いて

そこに薬草を塗っていた。








起きてしまった事は仕方がない。

取り敢えず、忍術学園に戻るとしよう…





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