瞳 ページ10
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｢ほんとにこめん、平野くん。私のせいで…｣
紫耀｢いいって、ごめんは何回も聞いた。だいたい俺が休憩したかっただけだし。それなら、ありがとう、って言ってほしいかな。｣
そう言って、私の頭にぽん、と平野くんの手が乗る。
体中が暑くて溶けそう。
こんなの、こんなのまるで、
カップルみたいじゃん。
彼には好きな人がいるのに。
好きにならないほうがいい人。
好きになっちゃいけない人。
とっくに答えはわかっているのに、私はまだ、彼への気持ちに名前をつけない。
｢ありがとう、ほんとに。
ねえ、平野くんって、こういうこと誰にでもするの？｣
紫耀｢こういうことって？｣
｢女の子おんぶしたりとか、頭に手乗っけたりとか、、、｣
紫耀｢嫌だった！？｣
瞬間彼は、慌てた顔でぱっと手を離して、
紫耀｢ごめん、ごめんほんとに…｣
と何度も謝ってきて。
違う、そうじゃない。
手を離された時、まだもうちょっとと思ったのに。
私は自分勝手で。
｢全然、嫌なんかじゃないよ。でも、誰にでもするのかなって、思って…｣
新入生代表のスピーチを任せられるくらい頭が良くて、運動神経は抜群、なにより、顔が良くて…
こんな彼、誰が放っておくっていうの。
紫耀｢ううん、鈴木だけ。鈴木だけだよこんなことするの。｣
｢え、、？｣
紫耀｢こんなに守ってあげたいって思うの、お前だけかな。自分でもよくわかんねえけど。｣
それって、告白だよ、平野くん。
ねえ、平野くんはわからないかもしれないけど私、危うく勘違いするところだったよ。
でも、君のそのまっすぐな、優しく暖かく熱を帯びた瞳は、私を捉えてない。
私を、誰と重ねてる？
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かなてん - 面白いですね、なんかめっちゃ切ない！！ つずき楽しみです (2019年4月1日 13時) (
レス) id: cb0c3fb79a (このIDを非表示/違反報告)
かなてん - 今日初めて見たんですけど、めっちゃ面白いです！！ (2019年4月1日 13時) (レス) id: cb0c3fb79a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：和 耀 | 作成日時：2019年3月10日 14時
