小さなセカイの中で。-change the world-【jw×ars】 (ページ15)

今日:25 hit、昨日:10 hit、合計:86,906 hit

story＊013 ページ15

(ﾁｰﾝｯ)

中｢よっしゃ、着いた。｣

3階に着いてエレベーターを降りると、奥からｶﾞﾔｶﾞﾔと騒がしい声が。

どうしたのか俺らも研究室に急ぐと、荒らされた部屋の端っこ…薬品庫の隣に所員たちが集まってた。

中｢皆集まってどうしたん？早よここ片付けな仕事出来ひんで？｣

｢ｯ…所長様っ…所長様っ…｣

中｢…どうしたん、そんな顔して…｣

所員たちの暗い表情、片付けを放ったらかしてしまう程の大事、そして皆が集まっている場所…

…まさか、、

中｢っ…ちょっとそこ通して！早よっ！！｣

嫌な事が頭に浮かんで…そんな事ない筈やって信じたいけど、確認する為に所員たちを掻き分けて進んだら…

決して見たくなかった光景が、現実としてそこにあった。

中｢ｯ…！！…っ…何で…｣

…白い粉の付着したテンキー、床に落ちてるシリコンの物体、半開きのドア、隙間から見える空っぽの中身。

一番厳重なセキュリティで守ってた筈の保管庫が開けられて…【能力覚醒薬】が盗まれとった。

中｢誰がっ…こんな事ｯ…｣

あんな危険な物を持ち出して、もし悪用なんてされたら……何人もの人間が死ぬ。

被害者が出る前に早く犯人を見つけ出さなっ…

…これはもう、単なる侵入事件とちゃう。

一刻も早く王様にご報告すべき”重大事”や。

中｢ｯ…｣

松野｢大丈夫ですか、所長様っ…｣

中｢…っ、大丈夫な訳ないやろ。下手したら人が死ぬんやぞｯ…｣

松野｢っ…｣

空っぽになった保管庫の前で、沢山の所員たちや松野と立ち尽くしてたら…

後ろからﾊﾞﾀﾊﾞﾀと足音が聞こえて、濵ちゃんの声がした。

濵｢ちょっと通してくれ、ゴメンなっ！…あっ、淳太っ！所員に聞いて来たんやけどっ、能力覚醒薬が盗まれたって冗談じゃ……ないな。

まさか全部持ってかれるとは…｣

中｢っ…おん……なぁ、照史は…何やって…？｣

濵｢すぐ来てくれるって。…取り敢えずは、物を動かさんでほしいらしい。

…んで、所員を全員一箇所に集めてって言うてた。｣

中｢…そっか。ほな、照史の言う通りにしよ。｣

濵｢おん。｣

動揺してるやろう所員たちをエレベーターや階段に誘導して、4階の大会議室に集める。

それを1階から3階に居る全ての所員にやって、全員を一部屋に押し込んだ。

何がなんだか分かってへん奴も多いから落ち着かせつつ…俺らは照史たち騎士団の到着を待った。