story＊134 ページ39
重｢あ、因みに慧くんの家ってどっち隣？｣
宏｢301で右隣です。…ん？外から見たら左か？｣
重｢了解！…ほな、もう行くわ！弟くんに宜しくなっ！｣
テーブル前の床から立ち上がって、数歩先の玄関へ。
さっきめっちゃ苦戦して脱いだのに、今度はすんなり履けた靴のファスナーを上げて後ろを振り返ると、宏太くんに "またな" なんて手を振ってから、扉を開けて外に出た。
重｢えっと、301はどっち……ん？｣
全っ然何にも見えへん暗闇の中、慧くんの家を探して右側へ進もうとすると、何か変な音が聞こえた気がして耳を澄ませつつ立ち止まる。
…したら、どこか近所で誰かが料理でもしてるのか、ｶﾞﾁｬｶﾞﾁｬという物音と複数人の話し声が。
でも…その音に隠れるようにして必死に声を抑え込んで、苦しげに咳き込むような音が聞こえて、その音の出処を探してスマホのライトで足元を照らしながら歩くと…
割と近くに座り込んで丸まった背中があって、それは何度も大きく震えてた。
重｢あの〜…大丈夫ですか…？｣
せやから心配になって、そーっと近寄ったら…
俺のスマホのライトに照らされたのは、真っ青な顔色をして蹲った慧くんの横顔やった。
重｢えっ…ちょっ、大丈夫っ！？｣
慧｢ｯｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ…ｺﾞﾎｯ…っ…重岡さｯ…ｹﾞﾎｯ…ﾋｭｰｯ…｣
重｢っ…！！｣
座り込む慧くんの隣に俺もしゃがんで、背中を摩ろうと手を伸ばしたら…口元を両手で押さえて咳を繰り返す中で、聞き覚えのある気管支の狭窄音が聞こえて驚いた。
この1年、何度も聞いてきたから分かる。これはただの咳じゃないって。
これは…喘息の発作や。
重｢っ…慧くんゴメンな、ちょっと眩しいで。｣
慧｢ｺﾞﾎｯｺﾞﾎｯ…ﾋｭ…ｹﾞﾎｯ…っ…｣
点けっぱなしやったスマホのライトで慧くんの顔を照らして、口元を塞いでる手も一旦離してもらうと、唇の色は正常でチアノーゼは出てへん。
意識もまだハッキリしてるから直ぐに処置すれば大丈夫やと思って、いつも神ちゃんの為に持ち歩いてる未使用の吸入器を取り出そうとしてんけど…
この場所のあまりの空気の悪さに、その手を止めた。
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和音(プロフ) - 祐莉さん» いつもコメントして頂き、ありがとうございます(^^)これから益々物語が展開していきますので、是非楽しみにして頂けたら嬉しいです！これからもこの作品を宜しくお願い致します(^^) (2020年2月14日 23時) (
レス) id: eff15bf988 (このIDを非表示/違反報告)
祐莉 - 楽しく読ませてもらってます！イースト帝国の闇は深いですね！ ウエスト王国もイーストに侵略されれば同じような状況になるのは、明白だから今後ウエスト側がどう動くか気になります！ (2020年2月13日 15時) (レス) id: ea9cf53e18 (このIDを非表示/違反報告)
和音(プロフ) - そらさん» コメントありがとうございます！そう言って頂けると、とても励みになります！これからもこの作品をよろしくお願いします(^^) (2020年1月9日 18時) (レス) id: eff15bf988 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - 更新を楽しみにしております。 (2020年1月9日 1時) (レス) id: c08660417e (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - すごく面白いです。 (2020年1月9日 1時) (レス) id: c08660417e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：和音
| 作成日時：2019年12月28日 17時
