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-佐野side-
草｢…ライブ…っ……絶対出るからっ…｣
思い詰めた顔して、どうしても明日のライブに出るって言うリチャくん。
誰がどう見たって無理そうやから、大晴くんが必死になって止めてる。
でもな、段々雲行きが怪しくなってきて…
目の前で繰り広げられるやり取りは、もはや喧嘩寸前。
福｢絶対無理ですって！その腫れ方普通ちゃうもん！｣
草｢っ…んな事言うて、俺の怪我なんかでAぇが5人でステージ上がるとか、許される訳ないやん！｣
福｢だからって、今歩けへんのに踊れると思ってるんっ！？｣
意地でも休ませたい大晴くんと、ファンの皆さんは6人のAぇが見たくてお金払ったんやからって出る事を絶対譲らんリチャくん。
どうしよ、このまんまやとホンマに喧嘩になる。
今ここには僕ら3人しかおらんし僕が止めなあかんのに、どんどんヒートアップする言い合いに言葉が出てこうへん。
焦りばっかりが先行して、アワアワするだけで何にも出来ひん。
でも、そんな時やった。
矢の様に鋭い一声が、その場を一瞬で制したのは。
末｢ええ加減にせぇや、2人とも。一回冷静になれ。｣
楽屋に戻った筈の誠也くん。
その後ろには、正門くんと小島くんまで。
誠也くんと正門くんは真っ先にリチャくんの元へ行って、小島くんは大晴くんの頭をぐりぐりしてる。
何気に痛そうやけど、お陰でちょっと平静を取り戻したみたいや。
末｢リチャ、その足でライブ出るのは厳しいって、ホンマはよう分かってるんやろ。｣
正｢リチャくんの高いプロ意識、ホンマに尊敬してます。でも、万が一折れてたら？後遺症が残ったりしたら、二度とライブ出来ひんくなる。満足に踊れへんくなる。それって、リチャくんが一番望んでへん事ちゃうんですか？｣
草｢っ…｣
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作者名：和音
| 作成日時：2023年11月18日 2時
