ありがとう×2 【にのみや】-完結- (ページ15)

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■ ページ15

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Aはあの日から、暇さえあれば俺の暗号を解こうとしているらしい。

今日も眉間に皺を寄せながら、必死になって考えてる。

「ねえ、この1992は1992年ってこと？」

聞いてきたことはあらかた予想出来ていたこと。まあそう考えてしまうだろう、違うけどね。

「どうだろねえ？」

敢えて違うとも言わない。
こんなこと言ってるからＳだ！とか言われちゃうんだろうけど、と思いながら、にやにやが止まらない。

だってこんなに必死になって考えてるAがあまりにも可愛いから、つい言っちゃうでしょ。

「 A 推理映画好きでしょ？それなのに解けないの～？」

「だあっ！そういう煽り要らない！！」

にやにやして、と不満げなAに、また言っちゃう。Aは俺が可愛いと思ってるなんて絶対知らない。

ついにうなだれてしまったAに、ﾋﾝﾄを言うことにする。

「ﾋﾝﾄはそうだなぁ………ごめんね、とかとよく一緒にいるかもね」
「はっ？」

…意味不明、と思ってるのが顔に書いてありますよ、Aさん。

「余計こんがらがったんだけど？！何、よく一緒にって」

「そのままの通りよ」

「え、単語ってこと？文章じゃなくて？」

図らずも、正解に近いことを言い当てる。
俺の雰囲気を察したのか、単語だと確信した様に彼女は再び考える顔をした。

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