doll＊446 ページ6
＊黄side＊
あの日…俺に縋り付いて涙を流した翔は、次の日には元通りになってた。
まるで、何事も無かったかのように…忘れてくれと言わんばかりに。
…相変わらず病院食には手をつけようとせえへんし、病人やねんから元気とは言えへんけど…
まぁ、いつも通り…普段通りの櫻井翔。
でも…今日は朝から、明らかに様子が可笑しかった。
櫻｢ﾊｧｯ…ｺﾞﾎｯｺﾞﾎｯ…っ…｣
黄｢…翔、｣
俺が物音に気づいて起きた時には…翔は俺の隣で顔を青ざめさせ、激しく咳き込んでた。
今のコイツにとって、体調を崩す＝壊れかけの心臓に大きな負担を与えるって事はよく分かってるから…勿論、直ぐに枕元のボタンを押したけど…
走って来た白衣の奴らは、翔の口元に透明なマスクをつけて点滴を一つ増やしただけで…どこかへ消えて、翔の事を助けてはくれへんかった。
櫻｢ｺﾞﾎｯ…ジュンタ、大丈夫だよ…っ、ﾊｧ…こんなの、何でもない…
…ｯ…先生も…ただの風邪だって……ｹﾞﾎｯ…言ってたから…｣
黄｢…っでも、、｣
櫻｢ﾊｧ…ﾊｧｯ…大丈夫っ……ほら、そんなに…泣きそうな顔しないで。
…ｯ…ｺﾞﾎｯ…ｹﾞﾎｯ……折角のイケメンが…台無し…｣
翔は…力の無い手で俺の頬を引っ張り、【笑ってよ】って自分が無理に口角を上げる。
…でも、俺は…翔の”大丈夫”がホンマは大丈夫でない事も…
ただの風邪が翔にとっては命に関わるかも知れへん事も……全部分かってるから…
頬に感じる熱すぎる手の感触、
顔色の青白さ、
額に浮かぶ汗、
どれをとっても…俺には笑う事なんて出来なくて、ただ黙って翔の横たわるベッドに腰掛けた。
黄｢…今日は、どこにも出歩かん。｣
櫻｢…ｹﾞﾎｯ…駄目…っ…今日、父さんが…来ちゃうから…ｯ…
ｯ…ｺﾎｯ…俺の事…何にも分かってない看護師が…っ…呼んだらしくて…ｺﾞﾎｯｹﾞﾎｯ…
…ごめんねっ……だからっ…外で…時間潰してきて…｣
黄｢…そう、、｣
申し訳なさそうに眉を下げ…自分は何も悪くないくせに、翔はまた”ごめん”って呟いた。
…ちょっとイカれてるって思う所もあったけど、自分がしんどい時に、俺が見付からんようになんて考える…心根が優しい奴やって事は誰よりも分かってる。
だから、ギリギリまで翔の傍に居りたくて…父親が見舞いに来るまでの数時間、俺はここに留まる事にした。
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みゅー - とても面白かったです！引き込まれました！！素敵な作品ありがとうございます(*´ω｀*) (2020年4月2日 0時) (
レス) id: dcdf60e661 (このIDを非表示/違反報告)
和音(プロフ) - てぃてぃさん» コメントありがとうございます！作者自身若干の不完全燃焼に加え短編集を読みたいという方もいらっしゃいましたので、いつか庭師の双子の活躍も実現できたらいいなぁと思っております(^^)なお、予定については未定ですので、作成出来ない場合もありますm(_ _)m (2019年10月10日 20時) (レス) id: eff15bf988 (このIDを非表示/違反報告)
てぃてぃ - 続編と言うかわからないのですがダイキとトモヒロの二人揃ったときの「夢の庭師」の活躍を見たいです！ (2019年10月5日 1時) (レス) id: 918ca3f2a8 (このIDを非表示/違反報告)
和音(プロフ) - Nagihimeさん» コメントありがとうございます。お返事遅くなりすみません！そう言って頂けると、とても励みになります！現在連載中の【小さなセカイの中で。】シリーズも宜しくお願い致します(^^) (2019年10月1日 19時) (レス) id: eff15bf988 (このIDを非表示/違反報告)
Nagihime - 凄くおもしろかったです!!!!私は室担の黄色ジャス民なので、ジュンタとリュウタが出てきて嬉しかったです!!これからも応援してます!!!! (2019年9月26日 17時) (レス) id: b07ee6c15c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：和音
| 作成日時：2019年5月28日 9時
