doll＊406 ページ16
橙｢ジュンタくん、こっち。｣
黄｢えっ、ちょ、待って待って。ハチいたって。｣
橙｢ええから、着いてきて。｣
ちっちゃい蜜蜂に怯えてるジュンタくんの手を問答無用で引っ張って、ヒマワリ畑の中へ直進する。
何か、後ろからめっちゃ【嫌や嫌やっ】って声が聞こえるけど…それは華麗にスルーして、
そのままジュンタくんを連れて、沢山の背の高いヒマワリの合間を縫って走り抜けると…
…段々とヒマワリの本数が減っていって、あっという間に目的の場所に辿り着いた。
橙｢はぁっ…あった！｣
黄｢…え、何。｣
大量のヒマワリが咲き乱れるこの世界で、ここだけポッカリと穴が空いたように何も無い。
普段はお昼寝や日向ぼっこをする、大きな広場。
…そこの中心に、俺はゆっくりと歩いて行って……深呼吸をしてから、後を追って俺の後ろに立ったジュンタくんの方に向き直った。
橙｢…ジュンタくん、｣
黄｢…ん？｣
橙｢俺と…戦ってください。｣
…これは、俺が…自分の意思で決めた事。
せやけど、やっぱり辛いことは変わらんくて…勢いよく下げた頭を上げられずにいたら、、
…そこに【ﾎﾟﾝｯ】とジュンタくんの手の感触がして、そのままフワフワと撫でられた。
黄｢あぁ。…その代わり、こっちも本気で行くからな。
…ほら、アキト。顔上げな何も出来ひんやろ。｣
橙｢ｯ…うんっ…ごめんっ…｣
ジュンタくんに言われて、ただひたすら地面を見つめてた顔を上げる。
…もう、泣いたりなんてしたくないから、唇をぎゅっと噛んでジュンタくんの方を見れば、【ぶっさいくやなぁ、自分】って笑われた。
黄｢…アキト、俺の事は何も気にすんな。俺も気にせえへんから。｣
橙｢っ、おん。…やるなら本気で、やからな。｣
黄｢あぁ。…ええで、どっからでもかかって来い。｣
橙｢ｯ…｣
大きな瞳で真っ直ぐな視線を俺に向け、真顔のまま挑発するように手を動かしたジュンタくん。
ここからはもう、ジュンタくんは大好きな兄ちゃんやなくて戦う相手になるから…
…俺もジャケットのポケットからスティックを取り出して…強く一振りすると、長く伸びたそれをジュンタくんの方に向け、体の前に構えた。
すると…その俺の様子を見てたジュンタくんも、背中の翼を大きく広げて…直ぐに戦闘態勢に入った。
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ななみ(プロフ) - アキトおおおおおおお泣うわああああああああ(´Д⊂ヽ朝から全部読んで感動しました泣決着の予想は付いていたが読み進めると悲しい気持ちになりました泣ジュンタくん！！アキトくん大好きだよ！！ (2022年11月22日 6時) (
レス) @page29 id: c060af3ed8 (このIDを非表示/違反報告)
和音(プロフ) - ８７８さん» コメントありがとうございます！そう言って頂けると嬉しく、とても励みになります(^^)これからもこの作品をよろしくお願い致します(^^) (2019年4月20日 19時) (レス) id: eff15bf988 (このIDを非表示/違反報告)
８７８ - いつも更新を楽しみにしてます！vol.9の更新がんばってください！ (2019年4月20日 19時) (レス) id: e0fce50eaa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：和音
| 作成日時：2019年4月20日 14時
