薔薇男子~ﾛｰｾﾞﾝﾎﾞｰｲｽﾞ~【jw】vol.5 (ページ7)

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doll＊197 ページ7

＊月本side＊

『…んっ……』

妙な体の怠さに目を覚ました。

時計を見てみればまだ午前3時で、普段眠りの深い私にとっては起きるなんてありえない時間。

『…何で…こんなに怠いの…』

体は鉛のように重たくて怠くて仕方ないのに、目は異様な程に冴えてて…眠ることも出来ずに、ただ天井を見つめてたら……段々と違和感に気が付き始めた。

『…いや、、まさか……まさかね……今、夜中だし…

……や、でも…確認だけ…』

あるはずない。とは思うけど…一応確認をするために、ベッドから出て床に置いてある鞄の一つを開けた。

…そしたら……

『ｯ…！？いない…っ！』

…だいちゃんの姿がなくなってて、真っ白のシルクの中に金色の薇が残されてるだけ。

…そうなると、当然のごとく襲ってくるのは嫌な予感。

そんな事ないって信じたいけど、これも確認のため……

『ふぅ…』

隣のリュウセイの鞄の金具にも手をかけた。

(ｶﾁｬ…)

『…っ、、やっぱり…』

リュウセイも、鞄の中にはいなくて……さっきから考えてしまう事が、確信に変わったような気がした。

…きっと2人は…ｎのフィールドにいる。

そして誰かと…交戦中だ。

『ｯ…行かなきゃ。』

私が行ったとして、何かの役に立てるとは思えないけど…居ても立ってもいられなくて、パジャマのまま物置部屋へ走った。

……私は二人のマスターだから…護らなきゃ…

･･･

物置部屋に入って、あの大きな姿見の前に来たけど……私は一つ大事なことを忘れてた。

……人間だけじゃ、ｎのフィールドへの扉にはならないということを。

『はぁ…』

私が手を触れても、揺らぎさえ起きないただの鏡。

…半ば諦めるように姿見の前に座り込むと、突然鏡の中から何かが飛び出してきて驚愕した。

『えっ！？何っ！？』

飛び出してきた小さなものを目で追うと…それは見覚えのあるピンクの光……人工精霊だった。

ピンク…のんちゃんの色……のんちゃんの人工精霊は…

『アンネちゃん…？』

ｱﾝﾈ【ﾁｶﾁｶｯ】

『どうしたの、、リュウセイは…？』

ｱﾝﾈ【ﾁｶｯ!ﾁｶｯ】

…正直、人工精霊の言葉は分からない。

でも、アンネちゃんはついて来いって言ってる気がして…私は一歩足を前に出した。