薔薇男子~ﾛｰｾﾞﾝﾎﾞｰｲｽﾞ~【jw】vol.5 (ページ12)

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doll＊202 ページ12

(ｻﾜｻﾜｯ)

『……えっ…？』

赤色の扉を通って出た先は…

ｎのフィールドっぽくない【森の中】

…でも、見上げても空は見えないから…現実世界でない事は確か。

『…ちょっ、リュウセイ……だいちゃんの元に行けるんじゃなかったの…？』

青｢…うーん……多分ここは…ダイキが創り出した森の中なんやと思う。

周りの樹を見てみ、所々赤い水滴が残ってる。

…ダイキの如雨露が使われた証や。｣

『ほんとだ……でも、、こんなに大きな森…』

あんなに小さな体で……先が見えないほどの大きな森を創り出すことなんて…出来るのかな…

…そして、、もしそれが出来たとしても……だいちゃんの目的は…？

何でここまでする必要が…？

…頭に浮かぶ疑問が多過ぎる。

でも、今は考えてる場合なんかじゃなくて、だいちゃんを探す方が先決。

…だから……

『…リュウセイ、行こう。』

青｢…おん。｣

生い茂る木々や草をかき分けながら、森の奥へと進んだ。

･･･

(ｻﾞﾜｻﾞﾜｯ)

『っ…しょ……ふぅ…』

青｢アカリ、大丈夫？｣

『平気平気。…よいしょっ……』

足元の悪い中、だいぶ奥の方まで来た気がする。

…さっき棘のある植物をどかした時に切れた手の傷が痛むけど、木々をかき分けないことには進めないから、我慢して先に進んでたら……

遠くの方に一箇所だけ、ほのかに光っている場所が見えた。

『…あの光り方……人工精霊…？』

青｢えっ？…どこっ、アカリっ！｣

『あそこっ！』

人工精霊らしきものが見えた方を指差しながら、私も目を凝らすと…その下に”何か”があって、それを護るようにﾋｭﾝﾋｭﾝと忙しなく飛び回ってた。

青｢…赤い光……ニックや。…ｯ…アカリ、あそこに走るで！｣

『あっ、うんっ！』

共に…というか、私の返事を聞く前に駆け出したリュウセイを追いかけて、私も植物の間を通って人工精霊が見えた場所に走った。

『っ…はぁ……リュウセイ…足速い…』

青｢……アカリ…今…そんなん言うてる場合とちゃう………見てや、、これ…｣

『……っ！？…えっ…』

…チカチカと瞬くニックくんの下…

…そこには大きなお花畑が広がってて、、

だいちゃんとトモヒロくんが、並んで倒れていた。

…どうしてか、とても穏やかな顔で。