◇Long vacation◇太輔くん◇part２

6.無名の男…太輔 ページ19

今日の仕事は、雑誌の撮影。

日曜日でも関係無し。

まだデビュー前だけど、ドル誌では、ｸﾞﾙｰﾌﾟとしてかなりﾍﾟｰｼﾞ数を多くもらえるようになった。


セン「まだデビューできないのかな…」

ニカ「このままってことないよね？」


ｸﾞﾙｰﾌﾟになってすでに7年が経つ。

焦りや不安は年々大きくなっていく。


宮「でもさ、ﾍﾟｰｼﾞ数も多くなってきたし、そろそろなんじゃない？」

タマ「お前は、楽天すぎ！」

宮「え〜だってさ〜みんながんばってるじゃん！大丈夫だよ！」

タマが宮田のﾎﾞﾃﾞｨｰにﾊﾟﾝﾁ！

宮「うあっ！」

タマ「宮田が上から目線で言うな！」

宮「ごめんなさい！ごめんなさい！(笑)」

ニカ「ま〜た、じゃれあってる〜」


・・・ほんと、タマと宮田は仲がいいんだよね〜


今の仕事も一生懸命やらせてもらってるし、ありがたいんだけど、

デビューできるかできないかは、アイドルとして大きい問題。

みんな不安でしょうがないんだ…

でも、こうやって場を和ませてくれるヤツもいて、ｸﾞﾙｰﾌﾟのありがたみを感じる。


.



ミツ「そうだ、ガヤ！」

太輔「何？」

ミツ「この前、遊園地にかほちゃんと一緒だった？」

太輔「どこ情報？」

ミツ「オレの友達が、そこでバイトしてて、かほちゃんが男の人と来たってﾒｰﾙくれてさ」


・・・ﾏｽｸに伊達眼鏡で、かほはわかっても、オレのことはわかんないんだ…

差を感じて、ちょっと落ち込む。



ミツ「かほちゃんが一緒に遊園地に行くような男の人って、ガヤくらいかなって思ってさ。」

太輔「どういう意味だよ？」

ミツ「だってさ、新進女優が、そんなに気軽に彼氏と遊園地なんて行かないだろ？

理由がつけやすいじゃん、ガヤとは先輩後輩で仲がいいって。」

タマ「オレたちは、2人のことよく知ってるし、一緒にいるときも兄弟みたいだってわかってるけどさ…」

ミツ「いや、恋人っぽい雰囲気はなかったって、友達も言ってた。」


・・・やっぱりな…


渉「恋人っぽくなかったんだ？」

渉がオレの横で呟いた。

渉は、オレがかほのこと好きだって知ってるから、この含んだ言い方になる。


太輔「ん、そう。」

渉「どっちが誘ったの？」

太輔「あっちから…相談があるって言われてさ。」

渉「ふーん…恋の悩み？」

太輔「ﾉｰｺﾒﾝﾄ」

渉「なるほどね。」


・・・あ〜〜、今のでなんか、渉にはわかっちゃったかな？

渉には、何でも見通されちゃうから困る！


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