◇Long vacation◇太輔くん◇part２

2.オレがムキになるとき…太輔 ページ15

翌日、かほからﾒｰﾙがあった。

『ごめんなさい。昨日は、勝手に帰ってしまって…。

それから、先輩の気持ちを知らずに、私は自分の話を相談してしまって、本当にごめんなさい。』


・・・あ〜あ…

なんて返事すりゃいいんだ…


太輔ﾒｰﾙ『こちらこそ、知り合いが迷惑かけてごめん。

あの管理人、酔ってたでしょ？なんか勘違いしてるんだ。気にしないで。』


・・・勘違い…か。

誤魔化しきれるかな…


『〜♪』


・・・え？かほから電話？


太輔『もしもし』

かほ『先輩？昨日は、すみませんでした！』

太輔『いや、オレのほうもごめん！大丈夫だった？』

かほ『はい。』

太輔『あのさ、あの管理人、オレがかほのこと好きだって思ってるんだよね。

だから、女優さんと一般人が付き合えるように何とかしようって、力入っちゃったらしい。』


かほ『一般人？先輩のこと一般人だって思ってるんですか？』


太輔『うん…』


かほ『なんでですか？言わなくていいんですか？

先輩だって、女性と問題起こしたら、スキャンダルになるってわかってたら、

あの人、あんなこと言わなかったと思いますよ？』


太輔『いいんだ。なんか今、オレって芸能人と一般人の間にいるって感じで、

このあやふやな状態が気持ち悪かったんだけど、

あいつは、スパッとオレを一般人として扱ってくれるのが、かえって心地いいんだよね』


かほ『先輩、もしかして、彼女のこと…彼女のことが気になってるんでしょ？』


太輔『それも勘違いだって！あいつは、うちのマンションの管理人で、

オレはマンションオーナーの孫！』


かほ『ﾌﾌ…そんなにムキになって！

高校のときから、先輩がムキになるときって、だいたい図星だったりするんですよね〜』


太輔『だから、あいつとオレとは…』


かほ『女は、そういう直感に鋭いんですよ〜』


太輔『マジで違うから！』


かほ『ﾌﾌ…そういうことにしておきますね。また相談に乗ってくださいね！』


太輔『ちょ！おい！違うって！』


かほ『ｸｽｸｽ…はい。わかりました。それじゃあ。』


電話が切れた。


・・・絶対、勘違いしてるだろ！！！


でも良かった。


Aの言った言葉は、そんなに気にしてないみたい…


“先輩がムキになるときって、だいたい図星だったりする”


オレがAのことが気になってる？


そんなことは…


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