◇Long vacation◇太輔くん◇part２

42.ケンカ…太輔 ページ1

太輔「うわ…マジかよ…」

携帯の充電が切れ、今日は充電器も持ち合わせてなかった。

・・・Aちゃんに“携帯無しでよくやってられるね”って言っておきながら、充電切れてるなんて無いわ〜

きっとAちゃんからの連絡が入ってるはず…

久しぶりの失態だな…


.



太輔「ただいま」

荷物を置いて、携帯を充電器にｾｯﾄし、ﾘﾋﾞﾝｸﾞに顔を出した。


A「あ！おかえりなさい！メール読んでくれた？」

太輔「ごめん！充電が切れててさ…」

A「あ、そうなの？かほさんから電話があったよ。」

太輔「え？ここに？」

A「そう。管理人室に。なんだかね、太輔くんの携帯番号を知らなくて。
高校の時に教えてもらった管理人室の電話番号に思いきってかけてみたんだって。」


・・・そんなころの電話番号…かほ、よく覚えてたな…


A「勘違いされると困ると思って、“兄は、今、いません”って答えたけど…」

太輔「オレは一人っ子！あいつも知ってるよ」

A「ええっ！？うわぁ…ごめん！同棲してるって思われたかな…」

太輔「たぶんね…」

・・・母親もいないこと知ってるし…

太輔「ったく、余計なことを…」

A「ごめん！まさか、家の電話にかかってくるって思わないじゃん！
今や、携帯の時代だし！いくら好きな子だからって、後輩なら、番号の交換ぐらいできたでしょ？」

・・・な///なんで、オレの好きな後輩がかほだって知ってるんだ？


太輔「逆切れかよ！恥ずかしくって自分からは聞けなかったんだよ！」

・・・あっちからも聞いて来なかったし…

A「そんなに太輔くんって純情なの？相手に合わせたの？軽く聞けばいいじゃん！友達ってノリで」

太輔「別に純情ぶってるわけじゃねーよ！軽く聞けないくらい好きだったんだよ！」

・・・なんかAちゃんとしゃべってると、冷静じゃない自分が出て来る。

素直って言ったら聞こえがいいけど、自分の隠しておきたい部分までさらけ出しちゃって、正直、イライラする！

なんなんだよ、こいつは！

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