Voyage.3 (ページ27)

今日:2 hit、昨日:6 hit、合計:97,948 hit

15-3 ページ27

ゆるゆるとお腹をさすりながら駅へと向かう。

電車には乗りたくないのでタクシー乗り場へと向かった。

そこには既に並んでいる人が3人ほど。

この駅はそれほど大きい駅ではないから、タクシーの本数も少なそう。

仕方なく並んでいると、ギュルルルとお腹が嫌な動きをし始める。

最悪...お腹壊したかも、、

まだ前に2人並んでいる状況を見て少し焦る。

冷や汗が出てきて、
なんだかさっきから気持ちも悪い。

胸の辺りをゆっくりさすって落ち着かせた。

「早くタクシー来い」と頭の中で何度も唱える。

前に並んでいるのはあと一人。

和「はぁ、、ふぅ、、」

気持ち悪くて気分は最悪。

だから高級なものは嫌なんだ、、と先ほど食べろと勧めてきた上司を思い返して少しイラつく。

はぁ...気持ち悪い。お腹痛い。

フラフラとしてきて近くの柱に捕まる。

俺の様子を見ていた後ろのおじさんが「君、大丈夫かい？」と声を掛けてきた。

和「あ、、はい、、」

ゆっくりと振り返って返事をする。

確かにこんな体調悪そうにしてる人がいたら心配するだろうなぁ、、

自分のことを客観的に考えてみる。

でももう考える余裕もなくなってきて。

辛い...

「あの..」と前に並んでいた若い女性が振り返った。

和「・・・？」

女性『私、急いでいるわけではないので、どうぞお先に並んでください』

え、、、いいの？

和「すいません…いいですか？ありがとうございます…」

この状況で順番を変わってくれたのは、もうありがたさしかなかった。

しばらくして。

「タクシーきましたよ」そんな声が後ろから聞こえた。

ようやく帰れる、、、

もう一度親切にしてくれた人にペコッとお辞儀をしてからタクシーに乗り込んだ。