【15】6 ページ44
【O】
「ほら あとは？どこだ」
「足…」
靴下を脱がしてズボンをまくり上げると、そこは赤く腫れている。
「捻ったの…」
起き上がることもしないで息を吐くニノ。
膝を曲げてやって、今度は軟膏の消炎鎮痛剤を手にとる。
白いそれはツーンとした匂いと共に指に纏わりついて
ニノの足首にあてがうと生暖かく溶けていく。
刷り込むように足首を撫でると軟膏のせいでヌルッと滑った。
「いたっ…」
塗り込む度に腫れている部分を指がかすめる。
「んんっ…いたいっ…！やめっ、て」
膝を動かし弱々しく抵抗する。
「ちょっ…待ってろって…」
その膝頭を押さえつけると、寝ている状態からニノは俺を睨む。
熱で目がいつも以上に潤んでいるから、全然怖くないけど。
「はぁ…」
疲れきったニノは顔に腕を乗せてぐったりとした。
「ニノ｡ほれ、仕上げだ」
腕をどかしておでこに貼ったのは冷えピタ。
「ん…なんでｯ…？(笑)」
バカにした様な笑い。さてはコイツ熱あるの気づいてねぇな。
「バカだな」
「ふふ…」
目を閉じながら笑うニノ。
思わず近づいて、頭を撫でると気持ち良さそうに目を細める。
撫でていた俺の腕に、ニノの手が絡まって、気まぐれにギュッとされる。
「にのぉ……」
「んー？……なんです？」
「頼れよぉ？」
「んふふ。なんですか急にー？」
「……ふふ」
「…もぉ、じゅーぶん頼ってますよ」
「もっと」
「んふ｡もっと って…(笑)」
「もっと だよ」
「ん。大野さん…少し、寝ても…いい？」
「うん。寝ろ」
もう一度 頭を撫でると
ごめんね。と小さな声を最後にニノは寝てしまった。
どうしてこんなことになったのか。
その理由はまだ聞けない。
今、ニノが笑ってくれているのは無理をしているからだと分かっているから。
あどけない寝顔を見て考える。あの時、ニノがどれだけ傷ついたのか。
きっとニノは身体の傷が治ったら、なんでもない様に振る舞う。
そんなニノをオイラはいつも通り見ていられるだろうか。
ニノは……
言いようのない不安だけが心に広がった。
【絶対不可侵のコノ領域：前編】fin.
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cherry(プロフ) - 雪架さん» ありがとうございます！心理描写は毎回ちゃんと伝わるか不安になりながら書いているので、嬉しいです(^^)ニノちゃんの病系は…私の萌えるポイントを詰めこんでおります(笑)なのできっと、楽しんでいただけると思います…(*^^*) (2015年3月18日 18時) (
レス) id: f2132e69e9 (このIDを非表示/違反報告)
雪架(プロフ) - 五人それぞれに色んな思いがあって、優しいお話がとても素敵だなって思います。いつも楽しませていただいています。にのちゃんの病系、ひっそり楽しみにしています！（*＾-＾*） (2015年3月17日 9時) (レス) id: dfc0dc1d1e (このIDを非表示/違反報告)
cherry(プロフ) - なみさん» ありがとうございます！お泊まり会、書いていてとても楽しいです(*^^*)素敵なリクエストありがとうございました(^^)拙い文章ですが、お付き合い下さい(^^) (2015年3月7日 21時) (レス) id: 182439bf5e (このIDを非表示/違反報告)
なみ(プロフ) - リクエストしたお話、早速書いて頂きありがとうございます！お泊まり会、私もワクワクしちゃいます^ ^続き楽しみにしてます！ (2015年3月6日 23時) (レス) id: 3c47c6d247 (このIDを非表示/違反報告)
cherry(プロフ) - 翔菜さん» 翔菜さん。コメントありがとうございます(^^)リクエストはPhoto Storyのパート1で、期間限定で受けつけたものとなっております。なので今は受けつけていないんです(^_^;)すみません…。また機会があれば、リクエストを募集するかもしれませんがf(^_^) (2015年2月5日 16時) (レス) id: 182439bf5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：cherry
| 作成日時：2015年1月31日 14時
