4匹目 ページ6
結論から言うと、Aにととってグリンゴッツのトロッコは最悪だった。
Aは自分の金庫＿＿＿多くも少なくもないお金が入っていた＿＿＿からいくらか金をとり、戻ってきたころにはぐったりしていた。
これは余談だが、セブルスはAが落ち着くまで何も言わずに待っててくれた。
「まずは杖だな」
Aが落ち着いたことを確認すると、セブルスはすたすたと歩き始めた。
Aは急いで追いかける。
しばらく歩くとセブルスはみすぼらしい店に入っていった。
扉には『オリバンダーの店』と書かれていた。
Aもセブルスの後に続いて、店内へと入った。
「吾輩は貴様に教科書を買ってくる。先に終わっても店内で待っていろ」
セブルスはそう言うと、店の外へと行ってしまった。
Aはきょろきょろと店内を見回す。
「いらっしゃいませ」
いきなり聞こえた声にAは飛び上がった。
「こ、こんにちは」
Aに声をかけてきたであろう老人と目が合った。
次の瞬間、老人は驚いた様に目を開き、そして悲しそうに眉を寄せたのをAは見逃さなかった。
Aは昔から観察力が鋭いのだ。
しかしもう一度Aと目が合った時は先ほどのような表情は老人の顔には全くなかった。
「A・シャフィクさんじゃな。さてさて早速始めましょうか。どちらが杖腕かね？」
「えっと、利き腕なら右です」
「腕を伸ばして」
老人は何かを考えながら、無言で寸法を測っていった。
測り終えると老人は一つの箱をとってきて中から杖を出した。
「ヤマナラシの木に不死鳥の尾羽。二十八センチ。繊細」
Aは振ってみる。杖の先から火花が散り、店内の奥の方から何かが崩れる音がした。
老人はあっという間にAの手から杖をもぎ取り、別のものを持ってきた。
杖を振ってはもぎ取られてを何度も繰り返すが、なかなか決まらない。
しかし、ついにその時は来た。
「イチイの木にセストラルの尾毛。二十三センチ。頑固」
Aは杖を手に取る。
Aは今の自分だったらなんだってできるという気がしてならなかった。
Aは杖を振った。
杖先から美しい群青色の炎の鳥が舞い上がった。
しばらく沈黙が続いた。
そしてやっと老人が口を開いたかと思えば「なんということか」などとぶつぶつ言っていた。
Aには老人が絶望しているかのように見えた。
ラッキー呪文
アロモホーラ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 474人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
真昼 - 更新続きますか？ 頑張って下さい(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ (2022年6月13日 11時) (
レス) @page20 id: 8b68f2738d (このIDを非表示/違反報告)
てほゆの(プロフ) - 更新楽しみに待ってました！これからも応援しています！！^ ^ (2020年3月8日 23時) (レス) id: 0f495494f3 (このIDを非表示/違反報告)
オリヴィア2世(プロフ) - ありがとうございます！受験も終わったのでゆっくりにはなりますが、更新していきたいと思っています。 (2020年3月7日 16時) (レス) id: 191b88bf2b (このIDを非表示/違反報告)
紙様 - めちゃくちゃ面白いです！！！！更新頑張ってください( ´ ▽ ` )ﾉ (2019年11月24日 16時) (レス) id: 8c73967388 (このIDを非表示/違反報告)
オリヴィア2世(プロフ) - コメントありがとうございます。私もセドリックには死んでほしくないです。ですが書くときいつも主人公に振り回されてしまうので、どうなるのかはよくは分からないです(笑)。受験、がんばりましょうね (2019年8月21日 22時) (レス) id: 191b88bf2b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：オリヴィア２世 | 作成日時：2018年12月23日 17時
