人間に落第した女神様 (ページ21)

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第18話ページ21

そして、ふわりがお祝いの為にライブをしてくれるそうだ。それは、私にとって酷になるとは思いもしなかった。
「じゃあ、ひびきさんとファルル呼んでくるわね！」
「だ、だめだめだめ！まほちゃん呼んだら、なんて言われるか！」
「大丈夫よ！ひびきさんはきっと分かってくれるわ！」
「仲がいいんだね！」
「ええ！」
そういえば、ひびきとふわりで歌ってたよね。ふわりのソロ曲とはまた違った感じで良かったって感じがしたなぁ…。ひびきとふわり…お似合いなんだな…。そして、ひびきとファルルを呼んで、ライブすることになった。ファルルは、ここで見ていくって言うから、ふわりとひびきのデュエットかな。
「では、聞いてください！『コノウタトマレイヒ』！」
と、ライブをする。わぁ…！生で見るのは初めてだな…！コーデがすごい可愛い！すると、ひびきパートがきて、ひびきが歌い出す。……そか…。ひびきはもう…立派なアイドルなんだ…。なのに…。なんで…？なんで、涙が出るんだろ…。ひびきが立派で泣いてるんじゃない。ただ…ひびきが遠くにいるようで、泣いてしまった。
「A…？どうしたの？」
らぁらが心配してくれた。でも…。
「ううん、ただ、感動しただけだよ。」
そう、感動もしていた。していたが…。私は、ひびきとは違う世界にいるような気がした。私は、ひびきの足元にも及ばないんだって。そう思ってしまった。ふわりも凄くて…。例えるなら、月とスッポンのような感じだった。そして、それを誤魔化すように、私は拍手した。
「凄い…凄いよ…。」
「A…。」
「心配しないで、シオン。私は平気だよ。」
「ん？なんで、Aが心配されるの？」
と、ドロシーが話に入ってきた。
「あ、それは…。」
「別に、ドロシーには関係ない。そうだ、Aも歌ったらどうだ？」
「あ、いいよ、私は…。それに、ふわりが主役なんだしさ…！」
私は、その場を断った。ただ…。私は、この場から逃げ出したい…。そんな気持ちでいっぱいだったんだ。